中国の軍事雑誌「航空知識」誌2022年6月号において、中国空軍Tu-154MD偵察機のパイロットによる第一列島線〜西太平洋へ進出した際の回顧記事が掲載されました。その仮訳について、今回が最終回です。みなさんのご参考になれば幸いです。 上・中編はこちら (以下、本文。中編から続く) 空中におけるドラマは激しくなる一方だった。(日本の)戦闘機は2機編隊で、通常であれば、1機はやや離れたところで警戒を担当し、もう1機がこちらに接近してくる。接近してくる機体はいつも後上方からくるので、TCASが「降下」と警告してくる。これがTCASの「警戒機能」というわけだ。通常であれば、この警告を聞いたパイロットは、回避のための操縦指示に躊躇なく従わなければならない。しかし我々は今、通常とは異なる環境で飛行しておりTCASに従ってはいられない。"敵は幾万いようとも不動の信念揺るがず"、“心安らかに、動かざること