【ロンドン=黒瀬悦成】英紙タイムズ(8日付)は英対外情報機関の秘密情報部(MI6)や政府通信本部(GCHQ)の要員として働いていた自称元アフガニスタン難民の男が、実はロシア軍の情報機関、参謀本部情報総局(GRU)が送り込んだスパイだった疑いがあると伝えた。事実とすれば、ロシアが難民受け入れ審査の網目をくぐり抜けて西側諸国への諜報活動を展開している実態の一端を示すものとして、波紋を広げる可能性がある。 同紙が英情報局保安部(MI5)などの情報として伝えたところでは、男はソ連占領下のアフガニスタンに生まれ、5歳のときに露情報機関からスパイ候補としてスカウトされた。 ソ連軍が撤退してアフガン国内が内戦状態に陥った1994年にロシアに渡り、ロシア女性と結婚して露国籍を取得。2000年に「イスラム原理主義勢力のタリバンの圧政から逃げてきた」と噓の申し立てをして、英国に難民として入国を認められた。 0