国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)が30日からアラブ首長国連邦(UAE)のドバイで始まる。 冒頭の首脳級会合には岸田文雄首相も出席する。温暖化防止を目指す脱炭素社会への取り組みは、各国間の熾烈(しれつ)な経済競争と表裏一体だ。その現実を踏まえて協議に臨んでもらいたい。 会議の基調を形成する首脳級会合では、太陽光発電などの再生可能エネルギーを2030年までに3倍に拡大する目標が重要テーマになる見通しだ。議長国のUAEの発意である。 産油国のUAEに不利な目標とも映るが、発電量が不安定な再エネには発電ムラを均(なら)すための火力発電が不可欠だ。従って世界の天然ガスの需要はなくならない。産油国にとって再エネ拡大はガス・石油輸出との両立が可能な脱炭素政策なのだ。 それに引き換え日本にとって再エネ3倍は至難である。国土が狭く再エネ施設の追加余地に乏しい。政府は洋上風力発電に期待す