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産経新聞とカザフスタンに関するkanoetatsuのブックマーク (22)

  • 【正論】「王土」拡張狙う中国を座視するな 文化人類学者静岡大学教授・楊海英

    文化人類学者静岡大学教授・楊海英中国政府がこのほど公開した2023年版の最新の地図に対し、周辺諸国は相次いで反発している。同地図では南シナ海のほぼ全域だけでなく、インドとブータン、それにネパールとの係争地の領有権まで主張している。東南アジア諸国連合(ASEAN)の首脳会議や、インドで開催された20カ国・地域の首脳会議(G20サミット)でも反発の声があがった。沖縄県の尖閣諸島についても中国領としているのに対し、松野博一官房長官は「外交ルートを通じて厳重に抗議するとともに即時撤回を求める」と述べた。 では、中国の論理はどこにあるのだろうか。中央ユーラシアの視点から見てみよう。 人類全体の遺跡

    【正論】「王土」拡張狙う中国を座視するな 文化人類学者静岡大学教授・楊海英
  • 【主張】日本と中央アジア 中露牽制し協力強化図れ

    ロシアウクライナへの侵略を続ける厳しい国際情勢にある今だからこそ、旧ソ連の中央アジア5カ国と日の連携強化が重要となる。 林芳正外相は、中央アジア5カ国との外相会合を都内で開き、共同声明を発表した。 5カ国は、ウズベキスタン、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタンで、石油などの天然資源が豊富だ。欧州とアジア、中東を結ぶ地理的な要衝にあり、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」の支援先でもある。 5カ国と日の外相級対話は旧ソ連からの独立後、「自由で開かれた中央アジア」の民主的発展を促すために日が主導して2004年に初会合を開き、今回が9回目となる。共同声明では、中露の動向を念頭に「国連憲章やその他の国際法、全ての国の独立、主権および領土一体性の尊重」や「武力による威嚇または武力行使の禁止、紛争の平和的解決」といった原則の堅持を強調した。 日と5カ国が、法の支配に基づく国際秩

    【主張】日本と中央アジア 中露牽制し協力強化図れ
  • 【主張】ソ連成立100年 共産党独裁の罪は重大だ 新たな国際秩序破壊に警戒を

    ロシア革命から5年後の1922年12月30日、世界初の共産主義国家であるソビエト社会主義共和国連邦(ソ連)が成立してから100年になる。 この1世紀の間に世界は、総山のソ連や中国北朝鮮、ベトナム、カンボジア、東欧、中南米、アフリカなどで、共産党独裁政権が行った無辜(むこ)の国民や少数民族などへのいわれなき暴虐、蛮行を目撃してきた。 ソ連の独裁者スターリンは国内では大粛清に血道をあげ、独ソ戦に勝利して東欧などを強引にソ連圏に取り込み、日の北方領土を不法占領して、ソ連を米国と覇を競う超大国に押し上げた。だが、軍拡競争や無謀なアフガニスタン戦争などの軍事負担で財政が破綻し、ソ連は91年12月25日、冷戦に敗れる形で崩壊した。 注視すべきは、ソ連の69年間を上回る期間存続してきた北朝鮮(48年建国)と中国(49年建国)の共産両国が、今も深刻な人権弾圧を続け、国際秩序へ挑戦していることだ。 加

    【主張】ソ連成立100年 共産党独裁の罪は重大だ 新たな国際秩序破壊に警戒を
  • 【アジアの視線】債務負担にあえぐ途上国…「一帯一路」変容の1年

    「一帯一路」関連事業である「中国パキスタン経済回廊」に基づいて開発が進むパキスタン南西部グワダル港=2016年(森浩撮影)「偉大な事業であり、(参加国の)すべての人々に利益をもたらす」。中国の習近平国家出席は2013年9月、カザフスタンでの演説でこう述べ、巨大経済圏構想「一帯一路」を提唱した。「中華民族の偉大な復興」を掲げる習氏の看板プロジェクトだ。 以降、中国は積極的な融資を展開した。世界銀行やアジア開発銀行(ADB)よりも審査基準が甘く、目先の開発資金を求める途上国は飛びついた。一帯一路に関する協定を結んだ国は途上国を中心に150カ国に達した。習政権幹部は中国と参加国の双方に「ウィンウィンの関係をもたらしている」と繰り返し意義を強調している。 一帯一路は来年10年を迎えるが、今年は債務問題を中心に途上国で「負の側面」が特に鮮明化した1年だったといえよう。対中債務にあえぐスリランカは経済

    【アジアの視線】債務負担にあえぐ途上国…「一帯一路」変容の1年
  • カザフ、露離れと外交多角化へ 大統領選で現職圧勝

    20日、カザフスタン・アスタナで投票するトカエフ大統領(カザフ大統領府提供・AP=共同)中央アジアの旧ソ連構成国カザフスタンで20日、前倒し大統領選が行われた。暫定開票結果によると、現職のトカエフ大統領(69)が81%超の得票率で圧勝した。カザフはロシアの同盟国だが、ロシアウクライナ侵攻後はプーチン露政権と距離をとっている。カザフが今後も、ロシアとの敵対は避けつつ、中国や欧米、トルコと関係強化を図る流れとなった。 トカエフ氏は今回の大統領選で権力基盤を固めた形だ。公約した「権威主義体制からの脱却」を実行に移すかが注視される。中央選管によると、投票率は約69%。トカエフ氏のほかに5人が立候補していた。 トカエフ氏は外交官出身。2019年、約30年間にわたって君臨したナザルバエフ前大統領(82)の後継として大統領に就いたが、その後もナザルバエフ氏が実権を保持した。トカエフ氏は今年1月、燃料価

    カザフ、露離れと外交多角化へ 大統領選で現職圧勝
  • カザフ大統領が露に苦言 プーチン氏、孤立回避に躍起

    中央アジア・カザフスタンのトカエフ大統領は14日、旧ソ連圏での国境に関する問題は「もっぱら平和的な手段で解決されるべきだ」と述べた。カザフの首都アスタナで行われたロシアと中央アジア5カ国の首脳会議での発言。トカエフ氏は、ウクライナ侵略を続けているプーチン露大統領に苦言を呈した形だ。 露国営タス通信によると、トカエフ氏は国境問題について、「友好と信頼の精神で、さらに国際法の原則と国連憲章の順守によって解決されねばならない」とも指摘した。 アスタナでは14日、旧ソ連諸国でつくる独立国家共同体(CIS)の首脳会議も行われた。プーチン氏は、第二次世界大戦終結から80年となる2025年に「ナチズムに対する団結」をCISが宣言するよう提案し、各国の同意を得た。 ウクライナ侵略について、ロシアは旧ソ連諸国の大半から支持を得られていない。プーチン氏はCIS諸国に結束を確認させ、孤立感を払拭しようと躍起だ。

    カザフ大統領が露に苦言 プーチン氏、孤立回避に躍起
  • 【ロシア深層】プーチン氏、次の標的はカザフか 遠藤良介

    ロシアのプーチン大統領 (ロイター)唇を固く結んだプーチン・ロシア大統領は、その壇上で何を思っただろうか。 6月中旬にサンクトペテルブルクで行われた恒例の国際経済フォーラム。ウクライナ侵攻を受けて出席者が激減した今年のフォーラムでは、プーチン氏とカザフスタンのトカエフ大統領による座談会が目を引いた。ここでトカエフ氏はロシアの軍事侵攻を支持しない立場を明確にした。 ロシアウクライナ東部の親露派支配地域を国家承認し、集団的自衛権を行使するとして侵攻に踏み切った。しかし、トカエフ氏は親露派地域を「疑似国家」と評し、独立は認められないと明言した。「地球全体で民族自決の権利が行使されれば、世界には500か600の国が現れる。それはカオスだ」

    【ロシア深層】プーチン氏、次の標的はカザフか 遠藤良介
  • 親露派「国家承認」否定 カザフ、ロシアとすきま風

    ウクライナに侵攻したロシアと、軍事同盟を結ぶ中央アジアの旧ソ連構成国カザフスタンの間にすきま風が吹いている。カザフのトカエフ大統領は17日、ロシアが侵攻に先立って「国家」承認したウクライナ東部の親露派支配地域をカザフが国家承認しないと表明。トカエフ氏がロシアからの勲章授与を拒否した、とも伝えられた。露与党幹部からは、カザフもウクライナと同じ運命をたどる-と脅迫じみた発言も飛び出した。 トカエフ氏は17日、露北西部サンクトペテルブルクで開かれた国際経済フォーラムの全体会合にプーチン露大統領と2人で出席。質疑応答で、ロシアが国家承認した親露派武装勢力「ドネツク人民共和国」「ルガンスク人民共和国」(自称)をカザフは正式な国家とみなしていない-とし、承認しない考えを示した。 「カザフは開かれた市民社会で、国民には特別軍事作戦(侵攻の露側呼称)への多様な意見がある」とも指摘。露メディアは、国民の侵攻

    親露派「国家承認」否定 カザフ、ロシアとすきま風
  • 露軍事同盟に足並みの乱れ 首脳会合で侵攻めぐり批判も

    ロシア主導の軍事同盟「集団安全保障条約機構」(CSTO)の首脳会合は16日、モスクワで共同声明を採択し、閉会した。会合では異例のロシア批判やウクライナ侵攻の早期終結を促すような発言が出たほか、共同声明にも侵攻を直接支持する文言は記載されず、足並みの乱れを示唆。友好国の結束を図ったロシアの思惑は外れ、かえって求心力の低下を露呈した。 プーチン露大統領は公開された会合冒頭の演説で、「ウクライナではネオナチと反露主義が横行し、米欧も奨励している」と主張した。だが、ベラルーシのルカシェンコ大統領を除き、各国首脳から同調する発言は出なかった。 アルメニアのパシニャン首相は、係争地ナゴルノカラバフ自治州をめぐり2020年に起きたアゼルバイジャンとの紛争の際、「CSTO諸国はアルメニアと国民を喜ばせなかった」と指摘。アルメニアに実効支配地域の多くを放棄させる条件で停戦合意を仲介したロシアを批判した形だ。

    露軍事同盟に足並みの乱れ 首脳会合で侵攻めぐり批判も
  • 【正論】混迷する中央アジアと日本の国益 文化人類学者、静岡大学教授・楊海英

    紙・正論)正論欄用 静岡大学の楊海英教授=19日、東京・大手町(寺河内美奈撮影)新年早々、中央アジアの大国カザフスタンで政治的騒乱が発生し世界に衝撃を与えた。日政府は同地域の情勢に疎いらしく、積極的な対応は見られなかった。 ソ連型独裁の遺産カザフスタンでは1月2日に最大都市のアルマトイを中心に周辺の諸州へ飛び火する形で大規模な抗議デモが勃発した。きっかけは燃料価格の大幅値上げとされているが、国民の不満は以前から積していた。矛先は同国最大の功績者にして最強の独裁者、「大ハーン」たるヌルスルタン・ナザルバエフ元大統領に向けられた。 ナザルバエフ氏はソ連時代の共産党エリート幹部で、モスクワの子飼いだった。母語のカザフ語よりもロシア語の方が堪能だ、と筆者が1992年夏に同国を訪問した際に評されていた。当時は、カザフ人の大半、都市部は皆、ロシア語を操っていた。カザフ語を話すのは前近代的だ、と

    【正論】混迷する中央アジアと日本の国益 文化人類学者、静岡大学教授・楊海英
  • カザフ大統領、与党党首に選出 実権を完全掌握

    【モスクワ=小野田雄一】反政府騒乱が今月起きた中央アジアの旧ソ連構成国、カザフスタンの政権与党「ヌル・オタン」は28日、臨時党大会を開き、トカエフ大統領を党首に選出した。タス通信が伝えた。同党党首は、2019年まで約30年間、大統領の座にいたナザルバエフ前大統領が務めていた。 トカエフ氏は騒乱を機にそれまでナザルバエフ氏が務めてきた国家安全保障会議議長にも就任。カザフでは新旧大統領間の権力の分散が指摘されてきたが、トカエフ氏が実権を完全に掌握する形となった。 トカエフ氏は臨時党大会の演説で「既存体制の腐敗が騒乱の引き金になった」と述べ、政治改革を進めると表明。「独立後の困難な時期に建国を引き受けたナザルバエフ氏に敬意を表すべきだ」とし、騒乱を機に政界引退を表明したナザルバエフ氏に配慮を示した。 トカエフ、ナザルバエフ両氏とも「騒乱の背景に両氏の対立があった」とする観測は間違いだと主張してい

    カザフ大統領、与党党首に選出 実権を完全掌握
  • カザフ騒乱、多くの謎残し正常化 現大統領の実権掌握は確実

    【モスクワ=小野田雄一】中央アジア・カザフスタンのトカエフ大統領は19日、デモが反政府騒乱に発展したことを受けて全土に発令していた非常事態宣言を解除した。院政を敷いてきたナザルバエフ前大統領も18日、騒乱発生後に初めて姿を見せた。今回の騒乱をめぐってはなお謎が残るが、トカエフ氏がナザルバエフ氏の影響下から脱し、実権を掌握したことだけは確実だとされている。 政権側は18日までに騒乱で約4500人が負傷し、治安部隊19人を含む225人が死亡したと発表。政権側が「騒乱に乗じて体制転覆を図った」と主張する「外国で訓練されたテロ集団」の捜査も進め、結果を後日公表するとしている。 今回の騒乱をめぐっては①「テロ集団」は実在したのか②中央アジアで最も政情が安定しているとされたカザフでなぜ騒乱が起きたのか③ナザルバエフ氏と、忠実な後継者と目されてきたトカエフ氏の権力構造は変化したのか-などが疑問点として指

    カザフ騒乱、多くの謎残し正常化 現大統領の実権掌握は確実
  • 【斎藤勉のソ連崩壊と今】中露、カザフを「共謀の舞台」に 露の部隊急派「プラハの春」再来

    「暴徒には警告なしに発砲するよう治安部隊に命令した」。ロシア中国のはざまにある旧ソ連・中央アジアの資源大国カザフスタンのトカエフ大統領(68)は、この一言で「恐怖政権の新指導者」として国際デビューを果たした。 ソ連崩壊に伴う建国30年という年明けから突如、世界の耳目を集めたカザフ全土の反政府騒乱。トカエフ氏はこれを制圧して「国内の権力闘争に勝利した」とされるが、「決定的役割を果たしたのはカザフに軍を急派したプーチン露大統領だった」と現地の消息筋は指摘する。 カザフを巨大経済圏構想「一帯一路」の要衝と位置づける中国もプーチン氏の部隊派遣を強く支持した。軍事同盟さながらに連携を強める中露両国は、中央アジア最大の国カザフに「共謀と共闘の舞台を広げた」(同筋)ように見える。

    【斎藤勉のソ連崩壊と今】中露、カザフを「共謀の舞台」に 露の部隊急派「プラハの春」再来
  • ロシア主導の部隊がカザフ撤収開始 トカエフ大統領、権力基盤強化へ

    【モスクワ=小野田雄一】中央アジアの旧ソ連構成国、カザフスタンで起きたデモで、同国に派遣されていたロシア主導の「集団安全保障条約機構」(CSTO)の平和維持部隊は13日、撤収を開始した。カザフでは今後、トカエフ大統領がデモの武力鎮圧を受け、長年実権を握ってきたナザルバエフ前大統領の影響力を排除し、権力基盤を強化していくのは確実とみられる。 トカエフ氏は12日、「CSTOは情勢安定化に寄与した」と表明。13日から部隊の撤収を始め、10日以内に完了させるとしていた。 カザフでは2日以降、燃料値上げに抗議するデモが全土に拡大。トカエフ氏は「外国のテロ集団」がデモを扇動していると主張し、治安部隊による武力鎮圧に乗り出した。カザフの支援要請を受けたCSTOは部隊派遣を決め、6日から政府施設やインフラの警護を担当してきた。 カザフは2019年まで約30年間にわたり大統領を務め、「国父」と呼ばれるナザル

    ロシア主導の部隊がカザフ撤収開始 トカエフ大統領、権力基盤強化へ
  • 中国外相、カザフに「支持」表明 トカエフ大統領の北京冬季五輪開会式出席「歓迎」

    【北京=三塚聖平】中国の王毅(おう・き)国務委員兼外相は10日、カザフスタンのトレウベルディ外相と電話会談した。中国外務省の発表によると、王氏はカザフで起きたデモに関して「安定を守るための暴力の抑止に揺るぎない支持を示す」と述べた。カザフ側に必要な支援や援助を提供する考えも表明した。 王氏は、2月4日に行われる北京冬季五輪の開会式に、カザフのトカエフ大統領が出席することを「歓迎する」と強調した。カザフ側に対して協調姿勢を示す考えとみられる。 カザフ情勢をめぐっては、習近平国家主席が今月7日、トカエフ氏にメッセージを送り、デモ隊の排除を進めたことについて「政治家としての責任を示した」と称賛した。カザフの混乱が中国国内に波及することを警戒し、トカエフ政権への支援姿勢を強めているとみられる。

    中国外相、カザフに「支持」表明 トカエフ大統領の北京冬季五輪開会式出席「歓迎」
  • 露主導CSTOが臨時サミット カザフ介入を評価

    【モスクワ=小野田雄一】中央アジアの旧ソ連構成国、カザフスタンで起きたデモで、同国に平和維持部隊を派遣したロシア主導の「集団安全保障条約機構」(CSTO)は10日、オンライン形式で臨時の首脳会談(サミット)を開き、CSTOの部隊派遣がカザフの秩序回復に貢献したとの認識を共有した。 カザフのトカエフ大統領は「デモの混乱に乗じて外国人を含むテロ集団が破壊工作をした」とする従来の主張を改めて表明。武力鎮圧は正当だったとの認識を示した。ただ、カザフ側は現時点までに「テロ集団」の関与を示す具体的な証拠を提示していない。トカエフ氏は「CSTO部隊の支援により、都市の奪還に成功した」とも評価した。 プーチン露大統領も「カザフは国際テロの攻撃を受けた」と同意。部隊派遣は「迅速かつ効果的だった」とし、部隊派遣でCSTOは「外部から国を揺るがす事態を容認しないという意思を示した」と述べた。 カザフは従来、ロシ

    露主導CSTOが臨時サミット カザフ介入を評価
  • 露、カザフ介入で存在感強化 「平和維持部隊」要請の数時間後に派遣

    【モスクワ=小野田雄一】中央アジアの旧ソ連構成国、カザフスタンで起きたデモで、ロシア主導の「集団安全保障条約機構」(CSTO)はカザフの要請に応じる形で平和維持部隊の派遣を決めた。同部隊が演習ではない実際の任務を遂行するのは初めて。旧ソ連圏の「盟主」を自任するロシアはカザフ情勢に介入し、デモによる政権転覆を阻止すると同時に、「裏庭」とみなす中央アジアで影響力を強める思惑だ。 CSTOはロシアとカザフ、ベラルーシ、タジキスタン、キルギス、アルメニアの6カ国からなる軍事同盟。当初の派遣は計2500人規模で、主体はロシア軍が担う。政府施設やインフラの保護を任務とし、デモの鎮圧には参加しない。派遣は情勢安定化までの一時的なものだとしている。 カザフのトカエフ大統領は5日夜、「外国で訓練されたテロ集団」が破壊工作をしていると主張し、CSTOに介入を要請。CSTOは数時間後に部隊派遣を発表した。6日に

    露、カザフ介入で存在感強化 「平和維持部隊」要請の数時間後に派遣
  • カザフ前大統領、所在めぐり混乱 一時「国外脱出」報道 側近ら拘束

    カザフスタンのナザルバエフ前大統領=2021年12月28日、ロシア・サンクトペテルブルク(タス=共同) 【モスクワ=小野田雄一】中央アジアの旧ソ連構成国、カザフスタンで起きたデモで、国外脱出したとの報道が出ていたナザルバエフ前大統領の報道官は8日、「ナザルバエフ氏は国内におり、トカエフ大統領と連絡を取り合っている」とツイッターで表明した。タス通信が伝えた。 ナザルバエフ氏は2019年まで約30年間にわたりカザフ大統領を務め、大統領辞任後も国家安全保障会議の議長を務めるなど影響力を保持。トカエフ氏との「権力の二重構造」が指摘されてきた。デモの激化を受け、トカエフ氏は今月5日、ナザルバエフ氏から同議長を引き継いだと発表。このため、同氏をめぐっては、失脚したとの見方や国外脱出したとの報道も出るなど情報が錯綜(さくそう)していた。 一方、カザフ国家保安委員会は8日、ナザルバエフ氏の側近、マシモフ同

    カザフ前大統領、所在めぐり混乱 一時「国外脱出」報道 側近ら拘束
  • カザフ大統領、デモを武力鎮圧 26人死亡

    【モスクワ=小野田雄一】中央アジアの旧ソ連構成国、カザフスタン全土に拡大した燃料値上げをめぐる抗議デモで、トカエフ大統領は7日、政府会議を開き、「憲法秩序が国全体にほぼ回復した」と述べ、デモをほぼ鎮圧したとの認識を明らかにした。カザフ大統領府が発表した。 政権はデモ隊を「テロリスト」と位置付け、各地で武力鎮圧を展開。同国内務省は7日時点で治安部隊員18人が死亡し、約750人が負傷したと発表。デモ隊側の26人が死亡し、約3800人を拘束したという。 トカエフ氏は、なお武器を持った「テロリスト」がいるとし、「完全に撲滅するまで掃討活動を続ける」と表明。7日の国民向け演説では、治安部隊に警告なしの発砲を許可したことも明らかにした。 ロイター通信やロシアメディアは、6日夜に大規模な武力鎮圧が行われた最大都市アルマトイの路上に遺体が放置されていると伝えた。地元治安当局は6日昼までに、銃砲店を略奪した

    カザフ大統領、デモを武力鎮圧 26人死亡
  • ナザルバエフ氏に出国報道 デモ受け動向臆測、雲隠れ

    政府への抗議デモが拡大した中央アジア・カザフスタン情勢を巡り、一部メディアが7日、2019年まで約30年間の長期政権を敷いたナザルバエフ前大統領(81)が出国したと報じるなど、前大統領の動向に注目が集まっている。デモは隠然たる影響力を維持するナザルバエフ氏らへの不満が爆発した格好だが、同氏は公の場に姿を見せず、さまざまな臆測を呼んでいる。 地元メディア「オルダ」は7日、情報筋の話としてナザルバエフ氏が娘らと共に出国したと伝えた。行き先や理由は明らかにされておらず、信ぴょう性は不明だ。ロシアのジャーナリストは5日、外交筋の情報としてナザルバエフ氏が治療のために出国の準備をしていると会員制交流サイト(SNS)に投稿していた。

    ナザルバエフ氏に出国報道 デモ受け動向臆測、雲隠れ