台湾の総統選で勝利宣言する民主進歩党の頼清徳副総統=13日午後、台北市(松本健吾撮影)1月13日に投開票が行われた台湾の総統選、中国と距離を置く与党、民主進歩党の頼清徳(らいせいとく)氏が当選した。中国は早速、報復に出た。水面下で南太平洋の島国ナウルに対し多額の経済支援の提供を約束し、台湾と断交させた。台湾の有権者と国際社会に対し「民進党のせいで台湾が国際的孤立を深めている」と印象付け、次期政権を担う頼氏の威信と評価を下げる狙いがあるとみられる。 近年、中国の習近平政権は、台湾の外交相手国への切り崩しを加速している。しかし、その効果は限定的で、欧米や日本など価値観を共有する国々との関係を強化している台湾へのダメージはあまり大きくないというのが実態だ。 台湾の外交部(外務省)の田中光次官は15日午後に緊急記者会見を開き、ナウルとの外交関係の解消を発表した。大使館の閉鎖とナウルに対する経済支援