オリンピックが平和の祭典をうたう以上、結論を躊躇(ちゅうちょ)する必要はないはずだ。 来夏に開幕するパリ五輪は最大の懸案に答えを出さないまま、あと1年を切った。ウクライナを侵略するロシアと、これを支援するベラルーシの大会参加問題である。撤退、停戦がない限り、出場はあり得ない。 国際オリンピック委員会(IOC)は五輪開幕1年前の7月26日、世界各国・地域に招待状を送ったが、ロシア、ベラルーシ両国には送付していない。 IOCのバッハ会長は両国選手の五輪出場可否の判断は10月のIOC総会より後になるとの見通しを示し、「デッドラインは大会直前だ」とも話した。 一方で「われわれには各国政府のために選手を罰しない責任がある」として、各競技団体には個人の中立選手として両国勢の国際大会復帰を促しており、ここを落としどころとしたいIOCの意向は明白だ。 五輪に先んじて今秋、中国で行われる杭州アジア大会は、両