栽培するトマトの苗を持つヤンマーシンビオシスの青木尚子さん=滋賀県栗東市発達障害や鬱病といった就業に難しさを抱える人たちを、農業や短時間アルバイトの活用で支援しようという動きが企業に広がっている。仕事を通じて社会との接点を持つことで、症状を和らげる効果も期待できるという。人手不足の深刻化で潜在的な労働力としても期待でき、支援に力を入れている。 「最初は『はい』も『いいえ』も言えなかったんです」。こう話すのは、観光農園の運営などを手がけるヤンマーシンビオシス(大阪市)の従業員で、広汎性発達障害のある青木尚子さん(30)。 ハウス野菜の栽培などを担い、自身と同じように人と話すことが苦手な後輩の指導を通じてコミュニケーション力が向上したと感じるという。