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産経新聞と科学に関するkanoetatsuのブックマーク (217)

  • アンメット・メディカル・ニーズへの挑戦 難病の治療薬開発に必要なことは 大阪社会部次長・加納裕子 西論プラス

    「アンメット・メディカル・ニーズ」という言葉がある。いまだ満たされていない医療ニーズ、つまり有効な治療法のない領域のことを指す。製薬業界や医療関係のプレスリリースで、最近よく目にする。 認知症の半数以上を占めるとされるアルツハイマー病もそんな領域の一つだ。国内で推計約79万人。脳内に異常なタンパク質が蓄積して神経細胞が破壊され、脳が萎縮するとみられている。物忘れから始まり、日常生活でできていたことが少しずつできなくなり、やがて寝たきりになり亡くなる。昨年12月、原因物質に作用して進行を遅らせる新薬が保険適用されたが、進行を止めたり、元の状態に戻したりする治療薬はない。 患者数がより少ない疾患も多い。歩行時のふらつきやろれつが回らないなどの症状が徐々に進行する難病「脊髄小脳変性症」の患者数は全国で3万人程度。治療薬はまだない。開発に取り組む研究者は「希少疾患は治験の壁が高く、企業も手を出さな

    アンメット・メディカル・ニーズへの挑戦 難病の治療薬開発に必要なことは 大阪社会部次長・加納裕子 西論プラス
  • 太陽系の近くに〝第2の金星〟大気観測で水蒸気発見なるか 生命育む惑星の理解へ

    系外惑星「グリーゼ12b」(右)と恒星グリーゼ12の想像図(NASA/JPL-Caltech/R. Hurt (Caltech-IPAC)提供)太陽系から約40光年先で、〝明けの明星〟として親しまれる金星と似た系外惑星「グリーゼ12b」が、東京大などによって確認された。現在は灼熱(しゃくねつ)の環境下にある金星だが、過去には液体の水が存在した可能性もあり、グリーゼ12bが持つ大気を観測できれば水蒸気や酸素、二酸化炭素といった生命に関わる成分の有無が分かるという。そこで得た知見は〝第2の地球〟を探し出す上でも大いに役立つはずだ。 地球や金星とほぼ同じ大きさグリーゼ12bは、地球から見てうお座の方向にあり、グリーゼ12と呼ばれる恒星の周囲を回っている。 昨年、米航空宇宙局(NASA)の宇宙望遠鏡「TESS(テス)」が惑星候補として発見。東京大や、国立天文台の敷地内にある「アストロバイオロジーセ

    太陽系の近くに〝第2の金星〟大気観測で水蒸気発見なるか 生命育む惑星の理解へ
  • 太陽フレアの謎解明 太陽大気を隙間なく高精度観測する衛星、28年打ち上げへ

    太陽観測衛星「SOLAR-C(ソーラーシー)」のイメージ図(国立天文台・宇宙航空研究開発機構提供)太陽を観測する衛星「SOLAR-C(ソーラーシー)」プロジェクトがこの春、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と国立天文台の主導で始動した。爆発現象「太陽フレア」の謎解明などに向け、2028年の打ち上げを目指す。大規模なフレアが先月初旬から頻繁に発生し、電力や通信インフラへの影響が懸念されている。フレアの理解を進めて、宇宙天気予報の高度化に貢献するほか、太陽系の成り立ちや地球生命誕生に迫る。研究の最前線を日とスイスの研究者に聞いた。 4つ目の衛星最も身近な天体である太陽。人間を含む地球の生命を育むと同時に、ITが欠かせない現代社会を脅かす存在となっている。太陽の表面で太陽フレアと呼ばれる爆発現象が発生し、高速のガス「太陽風」が地球の磁場にぶつかると、通信障害やGPS(衛星利用測位システム)の精度

    太陽フレアの謎解明 太陽大気を隙間なく高精度観測する衛星、28年打ち上げへ
  • カラスが数を「数える」能力は幼児に匹敵 鍵は発声の回数 独チームが報告

    実験で数を数える能力を示したハシボソガラス ©Andreas Nieder独テュービンゲン大教授〝賢い鳥〟としてよく知られるカラスが数を「数える」能力は、ヒトの幼児に匹敵することを、独研究チームが突き止め、5月に米科学誌サイエンスで報告した。進化の過程で哺乳類と鳥類の系統が分かれたのは3億年以上前にさかのぼる。その後は別々に進化した両者の脳が、実質的に同等の能力を獲得した点でも興味深い成果だ。 幼児は回数で数える研究チームの一人で、独テュービンゲン大の神経科学者、ダイアナ・リャオ博士研究員(ポスドク)は、人間の幼児が数えることを学習する研究に触発され、今回の研究を始めたという。 物の数を「1」「2」「3」といった数字と明確に関連づけることを学ぶ前、幼児は目にした物の数量を、その数と一致した回数の音声で表すという。例えば、リンゴが3個ある場合、リンゴはいくつあるかと聞かれると、この発達段階で

    カラスが数を「数える」能力は幼児に匹敵 鍵は発声の回数 独チームが報告
  • ハムスターの爪は冬眠中もきれいに伸びる 鍵は幹細胞のオンとオフ 北大チーム

    深冬眠状態となり、丸まって眠るシリアンハムスター(山口良文・北海道大教授提供)爪は体の健康状態を反映する器官の一つとして知られている。北海道大の研究チームは最近、冬眠を経たハムスターの爪が、極端な体温変化といったストレスを受けてもきれいに伸びることなどを発見した。冬眠は厳しい冬を乗り切る生存戦略だが、呼吸や心拍数の抑制、体温低下など生理学的に大きな変化を伴う。それに耐える冬眠機構の解明は、低体温療法や移植臓器の保存期間延長といったヒトへの応用を視野に注目を集めている。 爪は健康状態を反映する爪は皮膚が変化した器官で、指先の保護などの役割を持っている。内臓疾患や重度の栄養不足などがあると爪の健全な成長が阻害され、異常をきたす。このため爪は、健康のバロメーターともいわれる。また、爪を美しく保つことは身だしなみや装飾的観点からも関心が高い。 爪の健全な成長を支えているのは根元にある幹細胞の集団で

    ハムスターの爪は冬眠中もきれいに伸びる 鍵は幹細胞のオンとオフ 北大チーム
  • ゲノム編集で病気を治療、英米で実用化 日本は取り巻く環境の整備を

    狙った遺伝子を改変して人のゲノム(全遺伝情報)を書き換え、病気を根治する「ゲノム編集治療」の実用化が、英国と米国で始まった。2020年にノーベル化学賞の対象となった「クリスパー・キャス9(ナイン)」という技術を使うものだ。多くの病気に新たな治療法をもたらすと期待が高まるが、実際にどうやって病気を治すのか。日の現状も含めて紹介したい。 原因遺伝子を改変ゲノムの体であるデオキシリボ核酸(DNA)は、アデニン、チミン、シトシン、グアニンと呼ばれる4種類の塩基という物質が長い鎖状に連なり、その並び順が文章のように遺伝情報を表している。ゲノム編集は、塩基の並び順を改変して遺伝情報を書き換え、生物の形質(性質や特徴など)を変える。そのうち病気の原因となる遺伝子を改変して根治を目指すのが、ゲノム編集治療だ。 初の実用化は、重い貧血をもたらす「鎌状赤血球貧血症」と「ベータサラセミア」を対象としている。

    ゲノム編集で病気を治療、英米で実用化 日本は取り巻く環境の整備を
  • 日本の技術で開発進む月面探査車ルナクルーザー 宇宙服を脱いで過ごせる環境に重要な意味

    太陽電池パネルを広げるルナクルーザーのイメージ(トヨタ自動車提供)日人の宇宙飛行士2人が月面着陸する見通しとなった国際月探査「アルテミス計画」で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)とトヨタ自動車などが探査車「ルナクルーザー(愛称)」の開発を進めている。飛行士が宇宙服なしで乗れ、生活しながら月面の広範囲を移動できるキャンピングカーのような宇宙船だ。長期間の移動を伴う月探査は人類初の試みになる。 探査車には気圧を調整し、地上に近い環境にする与圧キャビンという密閉空間があり、正式には「有人与圧ローバー」と呼ばれる。概念設計では、全長6メートル、幅5・2メートル、高さ3・8メートル。マイクロバス2台分の大きさに4畳半の空間を備える。飛行士2人が約1カ月、寝泊まりできる想定だ。 月面は大気がほぼなく、強い放射線が降り注ぐ。昼は110度、夜は氷点下170度にもなる危険な環境で、身を守るために頑丈な宇宙

    日本の技術で開発進む月面探査車ルナクルーザー 宇宙服を脱いで過ごせる環境に重要な意味
  • <独自>iPS心不全治療、細胞種の作り分けで不整脈防止 実用化の鍵となる技術を初公表

    サルの心臓(赤い部分)に移植され、一体化して正常に拍動したiPS細胞由来の心室筋細胞(黄緑色部分)=信州大、慶応大、ハートシード提供 人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作製した心臓の筋肉(心筋)を重い心不全患者に移植する治験を進めている慶応大発の医療ベンチャー、ハートシードが、3種類ある心筋の細胞のうち、心室をつくる「心室筋細胞」だけを移植することで不整脈を抑制していることが分かった。25日夜、同社の福田恵一社長(同大名誉教授)がオンライン講演で初公表した。実用化の鍵となる重要技術で、これまで明らかにしていなかった。 心筋は、拍動を起こす電気信号を送るペースメーカー細胞と、全身や肺へ血液を送り出す心室をつくる心室筋細胞、戻ってきた血液を受け取る心房をつくる心房筋細胞の3種類からなる。 福田社長によると、心室の拍動は1分間に10~30回だが、心房は100回以上で、それぞれの細胞が混在した状態

    <独自>iPS心不全治療、細胞種の作り分けで不整脈防止 実用化の鍵となる技術を初公表
  • 素粒子の謎に迫り、橋や貨物を透視する「ミューオン加速器」開発

    【読売新聞】編集委員 増満浩志 ミューオンという素粒子がある。電子の兄弟のような素粒子で、「ミュオン」あるいは「ミュー粒子」とも呼ばれる。エジプトのピラミッド内部をミューオンで「透視」したというニュースなどで、名前を聞いたことのある

    素粒子の謎に迫り、橋や貨物を透視する「ミューオン加速器」開発
  • 東大の物理学者、岡田康志が挑む「微小の世界」 世界最高速の超解像顕微鏡実現

    優れた医工計測技術の業績に贈られる「中谷賞」の第16回大賞を受賞した理化学研究所の岡田康志氏(左から2人目)と科学好きの高校生を交えて行われた受賞記念セミナー=東京都中央区優れた医工計測技術の業績や研究活動に送られる「中谷賞」の第16回大賞に、理化学研究所生命機能科学研究センター細胞極性統制御研究チームの岡田康志チームリーダーが選ばれた。受賞理由は、これまで観ることができなかったウイルスや細胞内の小さな器官などの微細な構造の動態を観察でき、世界最高速の超解像蛍光顕微鏡を実現したこと。生物分子学者であり、物理学者でもある岡田氏は東大医学系・理学系の教授を務め、生命の最小単位と言うべき「細胞」の解明に取り組んできた。「東大史上最高の天才」と評される岡田氏が挑む「微小の世界」とは。 生命の最小単位を探る「細胞って、こんなものかと思うかもしれませんが、われわれ(研究者)からすると、こんな細胞は観た

    東大の物理学者、岡田康志が挑む「微小の世界」 世界最高速の超解像顕微鏡実現
    kanoetatsu
    kanoetatsu 2024/04/07
    自己駆動粒子の集団運動(アクティブマター)。
  • 1世紀超続くダーウィンの〝常識〟「哺乳類のほとんどで雄の方が大きい」は誤解

    ウシ科のアンテロープの仲間、ベイサ・オリックス。多くのウシ科動物はメスよりオスの方が大きいが、ベイサ・オリックスは大きさにあまり差がなく、雌雄ともに角がある(©Kaia Tombak)哺乳類のほとんどで、雄の体が雌よりも大きいという理解は、広く浸透している。進化論で知られるチャールズ・ダーウィンは19世紀、自らの著書でこれを一般的な知識として扱い、この理解は一般だけでなく進化生物学の専門家にも受け入れられてきたという。しかし、それは必ずしも正しくないという報告が、米研究チームによって最近行われた。雄の体が雌より大きいという誤解を生み出したのは、これまでの研究に長く存在してきたデータの偏りと、先入観だったのではないかとしている。 雌雄同サイズが4割米プリンストン大などの研究チームは今回、野生の哺乳類429種について、雌と雄どちらが大きいのか体重データを用いて統計的に推定し、3月に学術誌に論文

    1世紀超続くダーウィンの〝常識〟「哺乳類のほとんどで雄の方が大きい」は誤解
  • 空中DNAでクマ対策 大気を吸えば、たちまち分かる ソロモンの頭巾 長辻象平 

    実験室で手製の空中DNA回収装置を持つ西堀正英教授。小型で12ボルトの電源で作動する。白い部分がフィルターだ(西堀正英教授提供)クマが冬眠から覚める季節がやってきた。 森の空気を吸引するだけでクマに関するさまざまな情報が得られる装置とシステムが広島大学で開発されている。 空中に漂うクマのDNAをキャッチしてクマの存在の手がかりなどを得る方法だ。技術が確立すればクマの分布の把握や出没予測などに役立つことになる。

    空中DNAでクマ対策 大気を吸えば、たちまち分かる ソロモンの頭巾 長辻象平 
  • 「未知の成分 調査に時間かかる」 大貫宏一郎・近畿大産業理工学部教授(食品機能学)

    小林製薬の「紅麹(こうじ)」成分が入ったサプリメントを摂取した人に健康被害が確認された問題で、同社は26日、3年間摂取していた1人が腎疾患で死亡する事例が判明したと発表した。品機能学が専門の近畿大産業理工学部、大貫宏一郎教授に問題の論点を聞いた。(聞き手 桑島浩任) 麹菌などの真菌(カビ)は毒素も含むいろいろなものを作るので、それが健康被害を及ぼした可能性は否定できない。小林製薬が事態を把握してから公表まで2カ月かけて検証し、発表で未知の成分に言及したことからも、何らかの当たりはつけているのではないかと思う。 ただ、機能性表示品などの研究をしていると何かわからない成分が出てくることはままあることで、それがすぐに健康被害に直結するわけではない。その成分がなにか調べるには半年から1年以上の期間がかかることも珍しくはない。 一方で長年にわたって伝統品などにも使われている紅麹自体を危険なもの

    「未知の成分 調査に時間かかる」 大貫宏一郎・近畿大産業理工学部教授(食品機能学)
  • 国内で初めて、人の血液から「ナノプラスチック」検出 1人の臓器からは有害化学物質

    海岸清掃活動で集められた発泡スチロールのごみ=2020年12月、沖縄県石垣市国内で複数の人から採取された血液に「ナノプラスチック」と呼ばれる直径千分の1ミリ以下の極めて小さなプラスチック粒子が含まれていることが、東京農工大の高田秀重教授らのグループの分析で明らかになった。このうち1人を詳しく調べると血液や腎臓、肝臓などから、プラスチックに添加する紫外線吸収剤やポリ塩化ビフェニール(PCB)という有害化学物質も見つかった。 人の血液中のナノプラスチックはオランダで検出例があるが、国内では初めて。含まれる有害化学物質を同時に検出した報告は世界でこれまでなく、人体への蓄積の実態が示された。ナノプラスチックは広く環境中に存在し、粒径が大きなものと比べて体内に取り込まれやすく、生物への影響がより強いとされる。分析技術の向上で、近年検出が可能になった。 高田教授は「プラスチックの微粒子が有害化学物質を

    国内で初めて、人の血液から「ナノプラスチック」検出 1人の臓器からは有害化学物質
  • 探査機SLIMが活動再開、氷点下170度の過酷な月の「夜」を耐え電力回復か

    宇宙航空研究開発機構(JAXA)は26日、世界5カ国目の月面着陸をした、日の小型実証機「スリム(SLIM)」との通信を25日に再開したと明らかにした。1月末から休眠状態だった。氷点下170度にもなる月面での「夜」を耐えて、太陽電池パネルに光が当たって発電を再開したとみられる。 JAXAによると、機体が高温になっており、長時間の通信が難しいため、観測用の特殊カメラなどの状況は分かっていない。 スリムは1月20日、月の赤道南側の「神酒の海」にあるクレーター付近に降りた。太陽光発電が機能せずいったん電源を切るトラブルもあったが、1月31日までに予定していた活動を終了。着陸地点が日没を迎えて太陽光発電が使えなくなったため活動を休止した。

    探査機SLIMが活動再開、氷点下170度の過酷な月の「夜」を耐え電力回復か
  • 過酷な深海で効果はあるのか 海洋プラごみ問題の救世主、微生物が分解できるプラスチック

    生分解性プラスチックの試料を深海底に設置する「しんかい6500」のロボットアーム(JAMSTEC提供)多様な製品の部品や包装材料、容器に使われているプラスチックは、海や川にごみとして流出すると永遠に分解せず環境に悪影響を及ぼす。そのため、微生物が分解可能な「生分解性プラスチック」への移行の重要性が増している。ただ、海洋プラごみの終着点である深海は、低温で栄養も少ない過酷な環境で、肝心の微生物が極めて少なく分解されないのではないかとの懸念も多い。実態はどうなのか。東京大などのチームが検証に乗り出した。 深海では分解できない?あらゆる産業の製品に使用されているプラスチックは、世界中で年間約4億トンが生産され、毎年約800万トンがプラスチックごみとなって海洋に流出していると報告されている。大半は石油から合成されており、微生物が分解できない。

    過酷な深海で効果はあるのか 海洋プラごみ問題の救世主、微生物が分解できるプラスチック
  • <主張>H3ロケット 安全保障にも資する礎に 社説

    模擬衛星と2機の超小型衛星を載せ、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられるH3ロケット2号機=17日午前9時22分(共同通信社ヘリから) 日の宇宙開発の中核を担う次期主力ロケット「H3」が、ようやく打ち上げ成功にこぎつけた。 「物凄(すご)い肩の荷がおりた。でもH3はこれからが勝負」 17日に種子島宇宙センター(鹿児島県)を飛び立った「H3」2号機の成功を受け、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の責任者は、こう語った。 昨年3月にH3初号機の打ち上げに失敗し、現在の主力ロケット「H2A」は引退まで残り2機となっていた。 主力ロケットの空白という最悪の事態は、ひとまず避けられた。初号機の失敗から1年足らずで雪辱を果たしたJAXAと三菱重工業の取り組みは高く評価したい。 ただし、H3はスタートラインでつまずいたランナーが立ち上がった状況にある。拡大が見込まれる宇宙ビジネス分野で国際競争に

    <主張>H3ロケット 安全保障にも資する礎に 社説
  • 乳房を切らない治療法 乳がん治療の転換点に ラジオ波焼灼療法が治療開始

    年間約9万7千人が罹患する乳がんの治療が転換点を迎えている。早期患者を対象とし、乳房を切除しない新たな治療法が保険適用となり、既に治療が始まった。細い針のような電極を刺し、熱エネルギーを発して、がん細胞を焼き切って死滅させる。治療時間は5~10分。針を抜き、絆創膏を貼るだけで済むといい、身体的な負担も軽減される。その取り組みを探った。 身体的な負担が少ないこの治療法は、医療機器メーカー、メドトロニック社の日法人の一つであるコヴィディエンジャパンの機器を利用した「ラジオ波焼灼(しょうしゃく)療法」。既に肝臓がんの治療が保険適用されており、昨年12月に早期の乳がん患者を対象に保険適用となった。

    乳房を切らない治療法 乳がん治療の転換点に ラジオ波焼灼療法が治療開始
  • 世界で初めて撮影されたブラックホールの翌年の姿 一般相対性理論の正しさ裏付ける

    銀河M87のブラックホールについて、2017年に初撮影された画像(左)と、今回新たに公開された翌18年撮影の画像(©EHT Collaboration)2017年に史上初めて撮影に成功したM87銀河中心部のブラックホールの画像は観測から2年後に公開され、歴史的な成果として世界を驚かせた。日の国立天文台などが参加する国際研究チームが、同じブラックホールを初撮影の翌年に再度撮影した結果を公表した。1年後に何が変わり、何が変わらなかったのか。前年との比較から分かることは何か。 リングの明るい部分が移動ブラックホールは、アインシュタインの一般相対性理論によって予言された、強力な重力を持った天体だ。その最初の画像は17年4月に撮影され、国際研究チーム「イベントホライズンテレスコープ(EHT)コラボレーション」によって19年に発表された。 研究チームは今年1月、初撮影時点から約1年後の18年4月に得

    世界で初めて撮影されたブラックホールの翌年の姿 一般相対性理論の正しさ裏付ける
  • <独自>月着陸実証機スリム、月が「夜」になり活動休止 2月下旬の再開目指す

    月面でメインエンジンが上を向いた状態の探査機「SLIM(スリム)」(右上)。分離した超小型変形ロボット「SORA―Q(ソラキュー)」が撮影した=1月20日 世界5カ国目の月面着陸に成功し、月面で岩石の撮影などの活動を行っている日の実証機「スリム(SLIM)」が、活動を休止したことが1日、分かった。着陸地点周辺が「夜」に近づいて太陽電池の発電が減り、機体の電源が自動的にオフになった。再び十分な発電が可能になる2月下旬の活動再開を目指す。 宇宙航空研究開発機構(JAXA)によると、1月31日午後11時ごろ地球から通信を試み、反応がなかったため休止と確認した。次の「夜明け」は2月15日ごろだが、太陽電池に十分な光が当たる2月下旬、電源が自動的にオンになれば活動を再開するという。ただし、月の「夜」は超低温になり機器に異常が出ることが予想され、活動を再開できる可能性は高くないとみている。 スリムは

    <独自>月着陸実証機スリム、月が「夜」になり活動休止 2月下旬の再開目指す