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ブックマーク / dain.cocolog-nifty.com (4)

  • 『後味が悪すぎる49本の映画』を読んだら、なぜファニーゲームが大嫌いなのか理解できた

    精神的ダメージがありすぎて、読んだことを後悔する小説のことを、劇薬小説という。生涯消えないほど深く心を傷つけるマンガのことを、トラウマンガと呼ぶ。 劇薬小説とトラウマンガは、このブログで追いかけているテーマだ。 最近なら、 [BRUTUSのホラーガイド444] あたりが参考になるだろうし、最高傑作は、 [ス ゴ] の別冊付録で紹介している。許容範囲オーバーの激辛料理べると、自分の胃の形が分かるように、琴線を焼き切る作品を読むと、自分の心の形が分かるはず(痛みを感じたところが、あなたの心の在処だ)。 『後味が悪すぎる49映画』 は、この映画版だ。観ている人の気分をザワつかせ、逃げ道を一つ一つ塞ぎ、果てしない絶望に突き落とし、胸糞の悪さを煮詰める―――そんな作品が紹介されている(49は主に紹介される作品であり関連する他の胸糞も合わせると100を超える)。 ハッピーエンド糞くらえと

    『後味が悪すぎる49本の映画』を読んだら、なぜファニーゲームが大嫌いなのか理解できた
  • 本棚を見ると興奮する『ニッポンの本屋』

    楽しい話をしたいので、屋の話をする。 屋というのは面白いもので、さまざまな「並べ方」や「ディスプレイの仕方」をしてくる。これ、屋にとってまちまちで、店主(棚主?)のポリシーみたいなのが透け見えて愉快になる。「おお、このとそのを並べるのか!? あえて!」とか「なぜこの棚にそれを置く……そうか! そういう意味か」なんて呟きながら棚をめぐることになる。 最近一番笑った棚がこれ。下北沢のB&Bな。 パッと見ると、「」にまつわる様々なが並べられている。レシピ材の歴史や、料理文化の関係を書いただ。フレーム外に、「べる」にまつわるコミック&コミックエッセイ、料理の科学などが並んでいた。フィクションとノンフィクションの混ざり具合が絶妙で、いい棚だなーと眺めてたら驚いた。左端に着目してほしい。非常に面白い「材」を見つけられただろうか。 これ、棚を見る人の目線の動きまで計算して差して

    本棚を見ると興奮する『ニッポンの本屋』
    mugi-yama
    mugi-yama 2018/06/29
    “本のタイトルはタテ書きだから、そいつを見る人は右上から左下に向かって視線を動かす” ふつう左から見てくと思う(巻数物とか左→右に並べる)ので、カニバリズム論は右端の方がいいと思った
  • 『小説・秒速5センチメートル』の破壊力について

    もし今まで観た中で最高のアニメを問われたら、ためらうことなく「秒速5センチメートル」を挙げる。 3編にわたるオムニバス形式で、初恋が記憶から思い出となり、思い出から心そのものとなる様を、驚異的なまでの映像美で綴っている。 ノスタルジックで淡く甘い展開を想像していたら、強い痛みに見舞われる。わたしの心が身体のどこにあってどのような姿をしているのか、痛みの輪郭で正確になぞることができる。予備知識ゼロで観てしまったので、徹底的に打ちのめされた。涙と鼻汁だけでなく、口の中が血の味がした(ずっと奥歯を噛みしめていたんだと思う)。初めて観終わったとき、それほど長い映画でもなかったのに(1時間とすこし)、疲労感で起き上がれなくなった(ずっと全身に力を込めていたんだと思う)。 何度も観ているうちに、「それを観たときの出来事」が層のように積まれていく。どんな季節に、誰と/独りで、何を思い出しながら観たかが、

    『小説・秒速5センチメートル』の破壊力について
    mugi-yama
    mugi-yama 2016/07/12
    私この人の映画は「現実の風景を忠実にトレースしてアニメ化している」と見せかけて汚いもの・見たくないものを注意深く排除しているという点で、普通のオタク向け商品などよりよほど邪悪だと思う(小説は未読)
  • 最高の入門書を一冊で『そうだったのか現代思想』

    きっかけは、このツイートに遡る。 色んなメンヘラを見てきて思うのは、あいつら圧倒的には読書量が足りねえってこと。メンヘラが一心不乱に悩んでることは1000年とか2000年前のメンヘラが既に悩み終わってることなんだよ — プリンツ=オイゲン (@_sexperia) 2014, 12月 16 メンヘラに限らないし、2000年は盛りすぎだ。だが言ってることは合っている。ええトシこいたオッサンなのに、中学生からの悩み「私とは誰か(何か)?」がまだ悩み終わっていないのは、圧倒的に足りないから。存在論と認識論から始まって、認知科学や科学哲学、数学から仏教まで、道草が愉しすぎて終わる気がしない。わたしの時間が終わるまで、知りたいことを知り尽くしたい。 その手引きとなる一冊がこれだ。網羅性はないし単純化バイアスが掛かっているが、現代思想のエッセンスを凝縮し、ひたすら噛み砕くのが良い。要所要所で出てくる概

    最高の入門書を一冊で『そうだったのか現代思想』
    mugi-yama
    mugi-yama 2015/01/23
    昔の人の本をもっと読みましょという趣旨には別に異論はないけど「悩み終わる」ていう表現には違和感ががが。「哲学にとって重要なことは問題を共有できるか否かであって、結論は実はどうでもよい」(永井均)
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