黒のディナー・ジャケット、黒の細いパンツ、黒のシャツ、パールホワイトのタイ──。「エースのジョー」は、不敵な笑みとともに銃口をカメラに向けていた。目にも止まらぬ早業だった。日活アクション映画へのオマージュ作品『アゲイン』を監督し、その脚本も書いた作家・矢作俊彦が錠を迎えた。マカロニ・ウエスタンより早くウドンウエスタンがあった時代が幻影のように浮かび上がった。
1963年8月28日の「ワシントン大行進」に参加した22歳のボブ・ディラン。この日、この場所で、キング牧師が世界史に残る演説「I Have a Dream」を行った Photo: Photofest / AFLO ジャン=ポール・サルトルが1964年にノーベル文学賞の受賞を拒否したころ、ボブ・ディランは「風に吹かれて」を歌っていた。1963年にリリースされてディランの名を全米に知らしめたこの曲を、まだ中学生になりたての僕が知ったのは、ラジオのFEN(米極東放送網)から流れてきたピーター・ポール&マリーの、ディランの歌いっぷりとはまったく異なる美しい混声ハーモニーによるカバー・バージョンによってだった。 JFK(ジョン・F・ケネディ第35代米大統領)の暗殺は1963年11月のことで、その報を日本人に最初に伝えたのは、奇しくも日米間の初の衛星テレビ中継の実験放送だった。この衛星中継は、宇宙中継
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