福島県を訪問中の天皇、皇后両陛下は10日午前、いわき市から南相馬市まで車で移動する際、高速道路上で帰還困難地域を通過した。宮内庁侍従職によると、東京電力福島第一原発から5・8キロの地点で車の速度を緩め、車に同乗した皇宮警察の側衛官が両陛下に原発の位置関係を説明。雨で原発は見えなかったが、両陛下はじっとその方向を見つめていたという。 その後、車は高速道路を降りて国道6号を走行。道路わきには大量の除染土が積まれており、その様子も車内から視認したとみられる。 天皇陛下は震災発生直後から原発事故を気にかけ、専門家らを御所に呼んで説明を受けてきた。様子を見に行きたいと側近に相談したこともあるという。近づくことが難しいと分かると、「自衛隊の飛行機などで上空からでも見られないか」などと語ったという。(島康彦)