先日、マイクロファイナンスブームの原点ともいうべき番組の放送を紹介したが、最近ではそうしたブームに対する揺り戻しのようなことも起きているらしい。1年前に商業化の波に揺れるマイクロファイナンスの現状を紹介したティム・ハーフォードが、ボストングローブの9/20記事経由で、今度はマイクロファイナンスへの過大な期待に冷や水を浴びせるような実証研究2本を紹介している*1。 一つ目の実証研究は、Dean KarlanとJonathan Zinmanによるフィリピンのマニラでの研究である。内容は、当地のマイクロファイナンス業者を説得し、信用格付けのアルゴリズムに手を加え、ボーダーライン上の借り手にランダムに融資したり拒否したりしたというもの*2。それにより同じような環境の人に融資の有無が与える影響を調べたわけだが、残念ながら結果はそれほど芳しいものではなかった。同じ2人の以前の南アフリカでの実証研究(昨