旧優生保護法下で不妊手術を強制された障害者らの記録に関する毎日新聞の全国調査で、強制手術を受けた人の約8割に当たる1万2879人の資料が確認できなくなっていることが判明した。「記録のない被害者」をどう特定し、救済につなげるか。
子宮頸(けい)がんの原因ウイルスの感染を防ぐ「ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン」について、日本産科婦人科学会は23日、接種の積極的な勧奨を早期に再開するよう求める声明を発表した。勧奨の中止から5年が過ぎ、国内外でワクチンの有効性と安全性を示す科学的な根拠が多く示されたとして、科学的な視点で議論するよう求めた。 記者会見で藤井知行理事長は「ほかのワクチンに比べて危険性が高いということはない。しかも、女性の命や妊娠に関わるがんを防げる。勧奨の再開については科学的に考えてほしい」と話した。 HPVワクチンは2010年11月、公費助成が始まり、13年4月に定期接種になった。だが、接種後に体の痛みなどを訴える人が相次ぎ、厚生労働省は6月、対象者に通知を出して接種を促す「積極的な勧奨」を中止。16年には、被害を訴える人たちが国と製薬会社に損害賠償を求める集団訴訟を起こした。
認知症の治療に日本でも使われている4種類の薬が、フランスで8月から医療保険の適用対象から外されることになった。副作用の割に効果が高くなく、薬の有用性が不十分だと当局が判断した。日本で適用対象から外される動きはないが、効果の限界を指摘する声は国内でもあり、論議を呼びそうだ。 仏連帯・保健省の発表によると、対象はドネペジル(日本での商品名アリセプト)、ガランタミン(同レミニール)、リバスチグミン(同イクセロン、リバスタッチ)、メマンチン(同メマリー)。アルツハイマー型認知症の治療薬として、これまで薬剤費の15%が保険で支払われていたが、8月からは全額が自己負担になる。 東京大の五十嵐中(あたる)特任准教授(医薬政策学)によると、フランスは薬の有用性に応じて価格や保険で支払われる割合を随時見直している。今回の薬は7年前にも専門機関から「薬を使わない場合と比べた有用性が低い」との評価を受け、保険で
ゲームへの依存を精神疾患の一種とした世界保健機関(WHO)の判断は「時期尚早」で「道徳的パニック」だと、専門家らが懸念を表明している。
介護や医療関係者が駐車スペースのない訪問先で仕事をする際、近隣住民が無償で駐車場を提供する「ハートフルパーキング」が、愛知県春日井市の中でも特に高齢化が進む高蔵寺ニュータウン(NT)で始まった。全国的にも珍しい取り組みで、5月からはエリアが市内全域に拡大された。 50年前の1968年に入居が始まった高蔵寺NTの高齢化率(昨年10月現在)は市全体(25・1%)を大きく上回る33・4%で、年々上昇している。中でもNTの石尾台、高森台地区は介護や医療の需要が多いものの、住宅地のため有料駐車場は少ない。道路幅が狭く、路上駐車を避けるために駐車スペースの確保が課題だった。 市が着目したのは、仕事などで日中は空いていたり、子どもたちが独立して必要がなくなったりした住宅の駐車スペース、店舗などの駐車場だ。利用しない時間帯に提供してもらう仕組み作りに着手し、提供者と利用者のマッチングのためにインターネット
血糖値の測定器を手にする西田えみ子さん。訴訟を起こし、障害基礎年金の支給を求める=東京都千代田区(加藤園子撮影) 血糖値を下げるインスリンが体内で作れない1型糖尿病の女性患者が、障害基礎年金を支給されないのは不当として、来月中にも国を相手取り、年金不支給決定の取り消しを求める訴えを東京地裁に起こすことが21日、関係者への取材で分かった。1型糖尿病の障害基礎年金をめぐっては、病状が改善していないのに支給を打ち切られた患者らが大阪地裁に集団で訴えを起こすなど各地で判断の是非を問う声が上がっている。 訴えを起こすのは、障害当事者のNPO法人で非常勤の相談員を務める西田えみ子(本名・林恵美子)さん(47)=東京都府中市。障害基礎年金は、厚生労働省が示す障害等級で「日常生活が著しい制限を受ける」などとする2級に年間78万円、より重い1級に97万円が支給されるが、西田さんは昨年3月、「該当しない」とし
自民党の穴見陽一衆院議員(大分1区、当選3回)は21日、受動喫煙対策を強化する健康増進法改正案を審議する衆院厚生労働委員会に参考人として出席した肺がん患者に対し、「いい加減にしろ」とヤジを飛ばしたとネットメディア「バズフィード・ジャパン」が報じたことを受け、この発言を認め、謝罪するコメントを書面で発表した。 穴見氏は今月15日の厚労委に出席。参考人として肺がん患者が意見を述べている際、「いい加減にしろ」とヤジを飛ばした。 穴見氏は21日、書面でコメント。「参考人のご発言を妨害するような意図は全くなく、喫煙者を必要以上に差別すべきではないという思いでつぶやいた」と弁明。「参考人の方はもとより、ご関係の皆様に不快な思いを与えたとすれば、心からの反省と共に深くおわび申し上げる」と謝罪した。厚労委の高鳥修一委員長は同日、穴見氏に口頭で厳重注意した。 15日の厚労委に参考人として出席した日本肺がん患
受動喫煙対策を強化する健康増進法改正案を審議した衆院厚生労働委員会で、がん患者が参考人として発言した際に、自民党議員が「いいかげんにしろ」などとやじを飛ばしたとして、患者団体が反発していることが21日、分かった。 患者団体によると、やじを飛ばしたとされる議員は穴見陽一氏(48)。15日の委員会で、… この記事は有料記事です。 残り216文字(全文366文字)
厚生労働省は20日に開いた難病対策委員会で、難病患者への医療費助成制度の変更に伴って今年1月から助成対象を外れた軽症患者は全体の約2割の約14万8000人になるとの暫定値を報告した。難病法の施行(2015年1月)前から助成を受けていた約72万7000人のうち、約8万4000人(約12%)が不認定となり、約6万4000人(約9%)からは申請がなかったという。 難病患者への医療費助成は、同法施行で対象疾患が大幅に増えた一方、軽症と診断された患者は経過措置が終了する今年1月以降、対象から原則外れることになった。報告によると、疾患ごとの重症度の基準を満たしたとして44万5000人(61%)が引き続き認定され、軽症者のうち医療費が一定額を超えた13万2000人(18%)も特例で認定された。厚労省は疾患別の認定状況について、都道府県に追加で調査していることも明…
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