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ブックマーク / katukawa.com (23)

  • マグロの国際会議で日本がフルボッコにされたようです - 勝川俊雄公式サイト

    大変なことになりました。マグロの国際会議で日がフルボッコにされたようです。 12月5日~9日に、フィジーで西太平洋のカツオやマグロの漁業管理を議論する国際会議WCPFCが開催されました。そのなかで、クロマグロの決議が前代未聞の紛糾をした模様です。 クロマグロについては日が中心となり、北小委員会という独立した組織で協議した内容を会議で承認することになっています。北小委員会は、議長も事務局も科学委員も全部日が仕切っています。これまでのWCPFCでは、日が北小委員会を仕切って決めたことが、ほぼ自動的にWCPFC会議で承認される仕組みになっていました。 今年の北小委員会では、米国が中長期的な回復計画をたてようと提案したのに対して、過去最低の稚魚の加入が3年連続しない限り漁獲にブレーキをかけないという日が対立し、新たな規制が何ら合意できませんでした(詳しくはこちらをご覧ください)。この

    D_Amon
    D_Amon 2016/12/09
    「国内メディアは、日本が主導で素晴らしい規制をしているという論調の報道をしてきました。水産庁の自画自賛をそのまま報道するという、戦中の大本営発表と同じ構図になっています」
  • 日本が漁獲上限を設定したから、サバが回復したのか? - 勝川俊雄公式サイト

    NHKのニュースのニュースでサバ漁業について取り上げられていました。 http://www3.nhk.or.jp/news/business_tokushu/2016_0831.html?utm_int=detail_contents_tokushu-business_008 サバやサンマについては、「日はちゃんと規制をしているのに、中国が悪い」という一方的な報道が多いのですが、NHKは日の過去の失敗についても触れています。 太平洋のサバをめぐっては、中国漁船の行動だけを批判するのはフェアではありません。実は日も過去に手痛い失敗をしています。 1970年代まで、太平洋の「マサバ」の資源量は、推計で300万トンから500万トンに上っていました。しかし、日の漁業者が取りすぎたことが原因となって資源量が減少し、2001年には一時、15万トンまで落ち込みました。枯渇寸前の危機的状況だったと

    日本が漁獲上限を設定したから、サバが回復したのか? - 勝川俊雄公式サイト
    D_Amon
    D_Amon 2016/09/13
    「ほとんどの年で4割近い漁獲枠が消化されずに余っています。つまり、頑張って獲っても、獲り切れないような過剰な漁獲枠が恒常的に設定されているのです」事実上意味の無い漁獲枠設定を資源管理とは言わない
  • クロマグロの国際合意の総括 - 勝川俊雄公式サイト

    最近年から比較すると,国によって削減比がまちまちであることがわかります。削減比が小さい勝ち組は日台湾。日政治力を使って、自国に都合が良い提案を押し通した結果、漁夫の利を得たのが台湾です。台湾は10年前にマグロを多く捕っていたのですが、現在は漁獲が激減しています。規制が無いときよりも漁獲が増えるとは思えないので、枠があったとしても300㌧程度に収まると思います。 削減比が大きい負け組は韓国とメキシコ。日の市場を使った圧力に抵抗しきれなかった模様です。そして、米国に関しては事情がちょっと違って、クロマグロに関しては、漁業よりも遊漁が重要な産業となっています。遊漁に関しても記述はあるのですが、具体的な内容に乏しいために、現状と大きく変わらないと思われます。 これで、クロマグロは回復するの? 「自国の漁獲を減らさずに、他国の漁獲を減らす」という交渉結果は、日の狙い通りといえるでしょう。

    クロマグロの国際合意の総括 - 勝川俊雄公式サイト
    D_Amon
    D_Amon 2014/11/10
    「それほど意味がある漁獲量削減にならないのは明らかなのですが、「日本が率先して厳しい措置をとっているのに、資源保護意識の低い韓国やメキシコが駄々をこねている」といった論調のメディア報道が目立ちました」
  • クロマグロの国際交渉を分析:日本のジャイアン外交が韓国とメキシコを力でねじ伏せた - 勝川俊雄公式サイト

    の提案が14522㌧に対して、メキシコの提案だと12800㌧になる。 日の半減提案よりも、メキシコの25%削減提案の方が厳しい内容だったのだ なんで、こんなおかしなことになるかというと、基準年が違うのと、メキシコの提案は成魚を含むのがポイントです。 次に国別の漁獲量の削減幅を見てみよう。漁獲量が多いのは日。次にメキシコと韓国。米国と台湾も漁獲をしているが量は微々たるものなので、主要な三国について見ていこう。 ここ十年で、日は漁獲を減らし、韓国とメキシコが漁獲量を増やしている。昔を基準に持ってくることは、日にとって好都合なのだ。最近の漁獲量(赤)と日提案(緑)を比較したときに、日はほぼ横ばいだが、韓国とメキシコは激減している。日提案は、ここ10年で、未成魚の漁獲量が増えた国に厳しい内容なのだ。 2010-2012年の平均漁獲量を1とした場合の、日提案とメキシコ提案の漁獲量

    クロマグロの国際交渉を分析:日本のジャイアン外交が韓国とメキシコを力でねじ伏せた - 勝川俊雄公式サイト
    D_Amon
    D_Amon 2014/11/10
    「日本政府が、きわめて不平等な提案を突きつけていることには触れずに、反対する国を悪者扱いするのはいかがなものでしょうか」
  • あまり意味の無いウナギの池入れ上限 - 勝川俊雄公式サイト

    平成26年9月16日(火曜日)から17日(水曜日)まで、東京都内において、「ウナギの国際的資源保護・管理に係る第7回非公式協議」が開催され、日中国韓国及びチャイニーズ・タイペイの4者間で、ウナギ資源の管理の枠組み設立及び養鰻生産量の制限等を内容とした共同声明を発出しました。 日中国韓国及びチャイニーズ・タイペイの4者間で、以下を内容とする共同声明を発出することで一致しました。 (1)各国・地域はニホンウナギの池入れ量を直近の数量から20%削減し、異種ウナギについては近年(直近3カ年)の水準より増やさないための全ての可能な措置をとる。 (2)各国・地域は保存管理措置の効果的な実施を確保するため、各1つの養鰻管理団体を設立する。それぞれの養鰻管理団体が集まり、国際的な養鰻管理組織を設立する。 (3)各国・地域は、法的拘束力のある枠組みの設立の可能性について検討する。 http://

    あまり意味の無いウナギの池入れ上限 - 勝川俊雄公式サイト
    D_Amon
    D_Amon 2014/09/21
    「実効性の無い規制しか合意できないのであれば、ワシントン条約で厳しく規制をしてもらった方が、ウナギ資源の未来のためには良いかもしれません」自ら実効性のある規制ができないのならそうした方が良いと思う
  • 福島県の漁業の復興 その1 - 勝川俊雄公式サイト

    福島では、震災以降、漁業がほぼ停止している。月に2回ぐらい試験操業が再開されたものの、放射能検査の関係で、地元にわずかな量が出荷されているだけ。東電からの補償で、福島の漁業者は当面の生活はできるものの、何時になったら、漁業が再開できるのか、先が見えない状況が続いている。漁業に見切りをつけて、他の場所・職種に移動してしまった人も多く、漁業が再開できたとしても震災前の1/3程度の漁業者しか残らないという予測もある。 明るい要素もある。3年の禁漁の結果、海の中の魚はすごい勢いで回復しているそうだ。試験操業では、これまで2時間引いていたのが、30分で網が一杯になるという。福島県の水産試験所の調査でも、ヒラメなどの底物は3倍に増えたという。 状況を整理しよう 条件1)放射能検査のために、水揚げ量が規定される 条件2)水産資源は総じて回復している 目的)漁業者の減少をい止めつつ、地域の漁業を復興させ

    D_Amon
    D_Amon 2014/04/28
    「現状を打開するために必要なことは、「十分な親を残した上で、価値のある魚を安定供給する漁業への転換」である。多くの漁業国がすでに「質で勝負する漁業への転換」を終えている」
  • 日本は、なぜ乱獲を放置し続けるのか?水産庁の言い分を検証 - 勝川俊雄公式サイト

    当ブログでは、漁獲規制の不備によって、日の漁業が衰退していることを繰り返し指摘してきた。多くの読者から、「なんで水産庁は規制をしないのか?」という疑問の声が上がっている。その疑問に対する水産庁の言い分を紹介しよう。 水産庁が資源管理をしない理由をまとめた背景 2007年に安倍内閣によって設置された内閣府の規制改革会議では、経済重視の観点から様々な規制が議論された。水産分野においては、無駄な規制を取り除くというよりも、漁業が産業として成り立つために必要な漁獲規制を要請する内容であった。 規制改革推進のための第3次答申-規制の集中改革プログラム-(平成20年7月2日) 詳しい内容は上のPDFのP60から先に書いてある。 水産業分野についても、農業・林業分野と同様、就業者数の減少や高齢化が進んでいる状況にあるが、それ以前に、水産資源の状態が極めて悪化しており、それ故、生産、加工、流通、販売、消

    D_Amon
    D_Amon 2014/03/20
    「水産庁は「日本は状況が違う」、「日本には問題が無い」と言い張って、漁業先進国では30年前に解決積みの問題を放置したまま、今日に至っている」
  • クロマグロに関する報道の内外格差の検証:クロマグロは増えていて、安くなるのか? - 勝川俊雄公式サイト

    太平洋クロマグロを管理する国際機関WCPFCのレポートのドラフトが公開されました。例によって、例のごとく、国内外で報道の方向が180度違います。 太平洋マグロ、規制継続なら20年で3・6倍に 読売新聞(2013年1月10日09時22分) http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20130109-OYT1T00226.htm 日近海を含む太平洋産のクロマグロ(親魚)が、2030年までに最大で10年の3・6倍に増える可能性があるとの予測を、漁業管理機関「中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)」の科学委員会が8日公表した。 日で消費されるクロマグロのうち、太平洋産は約7割を占めている。資源量の増加は、将来的な価格下落につながる可能性もあり、日にとっては朗報といえそうだ。 web魚拓 太平洋のクロマグロは2030年に3・6倍に 国際委員会が予測、現行水準

    D_Amon
    D_Amon 2013/08/09
  • 日本のウナギ根絶作戦が、ついに最終段階 - 勝川俊雄公式サイト

    ジャワうなぎ、日へ 「世界最後の稚魚市場」から 東アジアでの激減背景に  (2013年04月20日) 東アジアでウナギ稚魚の不漁が続く中、ウナギ養殖のインダスト(熊県玉名市)が、「ジャワうなぎ」の日輸出を目指して奮闘している。西ジャワで養殖を始めて7年目。成果は実りつつあるが、日人の口に合うウナギの育成が今後の課題だ。 中川勝也社長はインドネシアを「世界で最後の稚魚市場」と表現する。同社によると、世界で確認されているウナギの仲間18種のうち、7種が生息するインドネシア近海がウナギ発祥の地だと考えられており、稚魚は豊富だという。 ウナギの漁獲量が激減する日での需要は大きい。日のコンビニや流通業者から「早く届けてほしい」との要望が日に日に強くなっているという。 http://www.jakartashimbun.com/free/detail/10643.html 1960年代から

    D_Amon
    D_Amon 2013/04/20
    蝗/地獄への道は「経済的合理性」で舗装されている。
  • 予定通り、北海道日本海側のスケトウダラ資源が減少し、漁業が消滅の危機 - 勝川俊雄公式サイト

    北海道海側のスケトウダラが激減しています スケトウダラは、北海道で重要な水産資源の一つであり、ニシンがほぼ消滅した現在は、スケトウダラに依存した漁村も多い。同じスケトウダラでも、産卵場や生育場所が異なる複数の群れが存在し、それを「系群」と呼びます。日周辺には、 太平洋系群 日海北部系群 根室海峡系群 オホーツク海南部系群 の4つのスケトウダラの系群があります。このうち日海北部系群の資源が極度に悪化しているのです。 資源量が減って、漁獲割合が上がる? 漁業資源の状態は、独立行政法人 水産総合研究センターによって、まとめられています。 http://abchan.job.affrc.go.jp/digests24/html/2410.html 1990年代後半から資源が直線的に減少し、底引き網、延縄ともに撤退が相次いでいます。1997年から、国によって漁獲枠が設定されて、漁業者がそれ

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    D_Amon 2013/04/06
  • 東シナ海 漁場 乱獲の歴史、中国の乱獲を一方的に非難するNHKクローズアップ現代 - 勝川俊雄 公式サイト

    昨日のクローズアップ現代(国境の海で魚が消える ~追跡 中国虎網漁船~)を録画で見ました。内容はこんな感じ。 豊かな資源を求めて、東シナ海に押し寄せる中国漁船。 漁場を追われ急速に衰退する日漁業。 漁船が担ってきた国境の監視機能も低下しています。 日は日中共同水域の資源管理を中国に呼びかけたが、中国から拒否されている。 漁業の衰退で中国漁船が国境の中に入りやすくなっている。 中国が虎網というむちゃくちゃな漁法で乱獲をしまくっているので、日の漁師さんたちが困っているというお話です。中国の虎網漁船を取り締まる水産庁の監視船の乗組員は、「我が国の水産資源を責任もって守る」と熱く語っていました。 NHKのサイトでクローズアップ現代の全文文字おこしがあります。見逃したかたは、こちらをどうぞ。 http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail02_3329_al

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    D_Amon 2013/04/06
  • 資源回復計画が予想通り破たんして、青森県のイカナゴが禁漁となった - 勝川俊雄公式サイト

    青森県でイカナゴが禁漁となった。この背景について、考えてみよう。 毎日新聞: イカナゴ:全面禁漁へ 春の味覚、乱獲で激減 陸奥湾6漁協、特定魚では初 /青森 陸奥湾でとれる春の味覚「イカナゴ(コウナゴ)」が乱獲などで激減していることを受け、県と湾内6漁協は今春から、全面禁漁することで合意した。当面、禁漁期間は定めないまま資源量の回復を待つ。 昨年の湾内の資源量は1000万匹以下とみられ、県は3億匹まで回復させることを目指す。 湾内でのイカナゴの漁獲量は73年の約1万1745トンをピークに減少が続き、昨年は約1トンまで落ち込んだ。漁獲金額も77年の約11億円から昨年は約40万円に減っている。海水温の低下でイカナゴが育ちにくくなったことや乱獲が原因とみられる。 http://mainichi.jp/area/aomori/news/20130214ddlk02040018000c.html

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    D_Amon 2013/02/14
  • 産経新聞にツッコミを入れつつ、まぐろ養殖業について、まじめに語ってみた - 勝川俊雄公式サイト

    「近大マグロ」庶民の味になるか 天然と遜色なし「ほとんど区別がつきません」 産経新聞 12月23日(日)12時0分配信 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121223-00000513-san-bus_all 養殖業を否定する気は無いし、マグロ養殖が持続的な産業として、発展してほしいと思っている。マグロ養殖業の現状について、正しく知ってもらうために、情報を整理してみよう。 1)タイトルと記事の内容が一致していない 「庶民の味になるか」というタイトルなのに、文には、安くなる要素が示されていない。むしろ、高止まりするという内容ばかり。産経新聞的にはどっちだと言いたいのだろうか。 ブランドの知名度も上がっており、意外と高値のままかもしれない!? 脂の乗り具合もきわめて良いことから高級」とされ、高値で取引される。 業界関係者は「有名になってきたことで取引が活

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    D_Amon 2012/12/26
  • 漁業の生産性が上がらない構造的な理由 - 勝川俊雄公式サイト

    前回の記事で、「漁師が魚を捕って生計を立てられる」ことの重要性を指摘した。では、漁業の生産性を上げるにはどうすれば良いかを考えてみよう。 漁業の収益は次のように単純化できる。 漁業収益 = 売り上げ-経費 = 魚価 × 漁獲量 - 経費 漁業収益を増やすには、次の3つの方向性がある。 1)魚価を上げる 2)漁獲量を増やす 3)経費を減らす では、どの方向を目指すかということを考えていくと、八方ふさがりの漁業の現実に直面する。 1)魚価をあげるのは難しい 週末のスーパーの特売のチラシを見れば、「アジ一尾100円」という具合に、まだ獲っていない魚の値段がすでに入っている。購買力をもつ大手小売りチェーンによって、末端の魚価は決められているのだ。スーパーは自分の利益が出るような価格で、どこかから魚を引っ張ってくる。流通業者は、さらに自分たちの経費を引いた値段でしか魚を買えない。出口の価格を決められ

    D_Amon
    D_Amon 2012/07/30
  • 欧州の食文化を破壊する日本の魚食 その1 - 勝川俊雄公式サイト

    ヨーロッパウナギはどうなったか? 過去にワシントン条約で規制されたヨーロッパウナギの事例を振り返ってみよう。ヨーロッパウナギは、2007年から、ワシントン条約の付属書IIで規制されている。そのときも、日メディアは、卓の危機・文化の危機などと騒ぎ立てたのだが、いざ規制が始まると、全く情報が途絶えてしまった。その後のことを知っている日人はほとんどいないだろう。 ヨーロッパウナギは、今も全く回復していない。EUの管理の下で、漁獲は厳しく制限されているが、回復のめどは立っていない。水産資源は減らしすぎると、回復能力が著しく失われることが知られている。ある程度以上減らしすぎると、たとえ禁漁に近い措置を執っても、資源が回復しなくなるのである。ヨーロッパウナギ資源が回復するのに、数十年かかるのか、数百年なのかはわからない。もしかすると、回復しないかもしれない。 破壊されたスペインの伝統文化

    D_Amon
    D_Amon 2012/07/30
  • 核実験時代と311後の魚の汚染を比較してみた - 勝川俊雄 公式サイト

    長いものには、巻かれません.「日には1960年代の核実験で大量の放射性物質がフォールアウトしている。そのときに皆健康だったのだから、福島の事故も心配いらない」という発言を3月には良く耳にしました。水産学会の勉強会でも、放射能の専門家は、そのように断言していました。ネット上でも、その手の言論のアーカイブを今でも見つけることができます。 福島第1原発事故で東京に降り注いだ放射性物質のセシウム137は、最大となった降雨の21~22日に、1960年代前半まで行われた大気圏内核実験で1年間に降った量の3倍近くに達したことが25日、分かった。http://www.sannichi.co.jp/kyodo/news2.php?genre=Science/Environment/Health&newsitemid=2011032501000755 Q.では、一般公衆の被曝線量も多いのではないですか?

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    D_Amon 2011/06/03
  • 海洋の放射性ストロンチウムの放出について - 勝川俊雄公式サイト

    ストロンチウムは特定の生物の、特定の部位に濃縮される傾向があるので、そういった部位をべるのを避ければ、内部被曝のリスクは大幅におさえられそうで す。ストロンチウムはカルシウムと同じような挙動を示すので、「カルシウムたっぷり」な品は、「放射性ストロンチウムたっぷり」になりやすいと思われま す。シラスのように代謝が早くカルシウムの吸収が早い魚では、素早く、蓄積される可能性があります。IAEAの推奨値では、魚は丸ごとでも海水の3倍程度の濃縮ですし、骨だけみても25倍ですから、むしろ、甲殻類(エビ、カニ)の方が濃縮されるようです。甲殻類のカルシウム(およびストロンチウム)はおそらく殻に多く分布すると思いますので、殻ごとべる場合は要注意。地味に濃縮係数が大きいのが、褐藻(昆布、わかめ、ひじきなど)です。貝殻もストロンチウムが濃縮されるのですが、直接べる機会はあまりないと思います。 放射性スト

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    D_Amon 2011/05/23
  • 水産物の放射能汚染から身を守るために、消費者が知っておくべきこと - 勝川俊雄 公式サイト

    IAEA のレポート http://www-pub.iaea.org/MTCD/publications/PDF/TRS422_web.pdf 物連鎖を通じた放射性セシウムの移動(捕者への時間遅れの汚染蓄積) チェルノブイリ事故で汚染されたキエフの貯水湖では、餌となる小型魚(上)のセシウムの値は事故の後すぐに上がったのですが、捕魚(下)のセシウムの値は翌年になって跳ね上がりました。物連鎖を通じて、上位捕者に時間遅れで放射性物質が伝わったのです。Chernobyl’s Legacy: Health, Environmental and Socio-Economic Impacts チェルノブイリの事故後で、日近海の表層海水の汚染のピークは1月後、スズキの汚染のピークは半年後、マダラの汚染のピークは9ヶ月後でした。(海生研ニュース No.95 p7より引用)。 福島周辺海域では、植

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    D_Amon 2011/05/04
  • 漁業管理が、領土問題を未然に防ぐ - 勝川俊雄 公式サイト

    先日、境港のまき網船を135トンから250トンに大型化する計画が新たに判明し、周辺の沿岸漁民に不安と動揺が広がった。対馬、壱岐、見島、隠岐といった日海の離島の漁業は、クロマグロをはじめとする漁業資源の枯渇によって、存亡の危機に瀕している。資源減少の主要因は、日の大型巻き網船団による乱獲である。資源が減少して、主要産業である漁業が成り立たなくなれば、離島の過疎化は一気に加速するだろう。日海の離島が無人島になれば、竹島のように実効占拠されかねず、国防上も大問題である。巻き網船の大型化は、離島の生活を破壊し、将来の領土問題を引き起こしかねない。 壱岐の勝漁協は、資源を持続的に利用するために、自分の漁場での網漁具の使用を禁止してきた。その結果、クロマグロをはじめとする豊富な資源に恵まれ、大勢の組合員が釣り漁業で生計を立てていた。2004年から、巻き網船団がクロマグロ産卵場での操業を開始した

    D_Amon
    D_Amon 2010/10/04
  • 韓国漁船は、クロマグロの産卵群を獲れません - 勝川俊雄 公式サイト

    「水産庁がクロマグロの産卵場での操業を規制しても、韓国が獲るから意味がない」と考える人もいるようですが、韓国はクロマグロの産卵場で産卵群を漁獲していないし、今後も獲れないでしょう。 韓国漁船の違法操業問題ですが、ほとんどがEEZの縁辺部での小競り合いです。夜中に漁具を仕込んで、次の日の夜中に漁具を回収というのが基で、漁具としては、刺し網やカニカゴなどでしょうか。 クロマグロで問題になっている大型巻き網の場合、4~5隻で船団を組みます。まず、まず群れを見つけて、産卵行動で浮き上がってくるまで、ソナーを使って長時間追跡する必要があります。産卵行動で浮き上がってきたところを巻くのですが、網を入れてから、上げるまで、1回の操業に2時間はかかります。産卵場は、日のEEZのど真ん中です。日中の大型巻き網船団が、狭い海域でマグロの群れを奪い合っているところに、韓国の船団がノコノコ入って、暢気に操業

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    D_Amon 2010/08/11