「学歴社会が崩壊したとき、日本人は『学ぶ』ことを放棄してしまう」と、「高学歴ノーリターン」の著者・中野雅至氏は憂う。米国流の投資社会、「拝金主義」の社会に日本が陥ったことは、ホリエモンや村上ファンドをみれば明らかだ。学歴と金儲けのミスマッチからくる閉塞感が漂うなかで、「学歴社会の行く末」を聞いた。 ――一流大学卒が負け続ける「ギャンブル社会」とは、どんな社会でしょうか。 中野 『金儲け』が支配的な価値観にある社会では、東大を卒業して官僚や一流企業に就職しても、所得が低いので評価されません。つまり、彼らは報われないのです。そうなると、『ひと儲けしてみよう』と、金儲けのために起業する高学歴者が増えてきます。しかし、必ずしもそういった人が事業に成功するか、というとそうではありません。むしろ高卒や二流、三流の大卒経営者のほうが日本にはたくさんいますから、『学歴と金儲け』がまったく関係ないことに気づ