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ブックマーク / cruel.hatenablog.com (26)

  • オーウェル『1984年』序文からわかる、ピンチョンのつまらなさとアナクロ性 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    Executive Summary トマス・ピンチョンのオーウェル『1984年』序文は、まったく構造化されず、思いつきを羅列しただけ。何の脈絡も論理の筋もない。しかもその思いつきもつまらないものばかり。唯一見るべきは、「補遺;ニュースピークの原理」が過去形で書かれていることにこめられた希望だけ。だが、考えて見れば、ピンチョンはすべて雑然とした羅列しかできない人ではある。それを複雑な世界の反映となる豊穣な猥雑さだと思ってみんなもてはやしてきた。だが実はそれは、読者側の深読みにすぎないのかもしれない。そしてその深読みが匂わせる陰謀論が意味ありげだった時代——つまり大きな世界構造がしっかりあって、裏の世界が意味をもった60-80年代——にはそれで通ったのに、1990年代以降はもっと露骨な陰謀論が表に出てきてしまい、ピンチョン的な匂わせるだけの陰謀論は無意味になった。それがかれの最近の作品に見られ

    オーウェル『1984年』序文からわかる、ピンチョンのつまらなさとアナクロ性 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    NOV1975
    NOV1975 2023/11/14
    むかーしVを読んだときになんだろうこれはと思ったんだけど、やっぱり時代性みたいなものが大きいんだろうなあ。
  • ぼくは「モンティ・ホール問題」がよくわからない。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    10月24日に、Change to Hopeというイベントがあって、スティーブン・ピンカーが来日して基調講演をする……予定だったのがコロナで来れずオンラインになってしまったんだが、ぼくがその司会役、というか質問係をおおせつかったのでした。 www.change-to-hope.com で、これは新著『人はどこまで合理的か』をベースに最近のネタを散りばめる講演で、ぼくも付け焼き刃でざっと読んでみました。基は、人はいろいろ数学パズルみたいなものにごまかされて合理性を発揮しにくくなる部分があるのだ、という話や経済学的な合理性の話などで、あとは合理性がいかにしてこれまでの人類の発展を率いてきたか、これからも理性をちゃんと使ってがんばらないといけないよ、というもの。一般向けの講義をまとめたものだそうで、人によっては知ってる話ばかりでつまらないかもしれない。まったく知らなかった目新しい話はない。類書

    ぼくは「モンティ・ホール問題」がよくわからない。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    NOV1975
    NOV1975 2022/10/31
    「Bのドアを「ハズレでした」と開けてしまう場合もある」これを事象から除外しちゃってるからおかしくなる。ハギーワギーくん的には「最初に司会者が当たりのドアも選ぶ可能性ある」設定と同じ状況。
  • diffとしての表現、あるいはほぼあらゆる (人間的な) 価値は、逸脱である - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    Executive Summary 多くのものはいまや、価値が来の機能ではなく、それ以外の来の機能との差分/diffに宿るようになっている。酒はもともとアルコールの酩酊感のためのものだが、いまやアルコール以外の不純物がお酒の味の主役になっている。事は栄養摂取が来の機能だが、グルメ料理はそれを離れ、単なる舌や感覚への刺激だけを重視するようになっている。 今後、そうした部分が増えるのではないか。車もバイクも、「味わい」とされるのはニュートラルな移動機能から逸脱した歪み。いずれ、そうした部分だけソフトウェアなどで再現されてそれだけが分離されて取引され、その土台となるハード/来の機能部分はコモディティ化してどんどん低価格化する世界がやってくるのではないか? ジャクソン・ポロックなどある種の芸術は、いちはやくそうした diff だけの世界を予見しているようでもある。 かなり前から考えている

    diffとしての表現、あるいはほぼあらゆる (人間的な) 価値は、逸脱である - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    NOV1975
    NOV1975 2021/09/28
    あ、これはまあ面白いな。diffって言っていいのかは若干気になるが。
  • ナオミ・ウルフ (博士) の……凋落なのか元からそうだったのか…… - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    Executive Summary 2021年10月に、ナオミ・ウルフのツイッターアカウントが垢バンをくらった。コロナ陰謀論とワクチン否定論の最も低級な代物をバラマキ続けたせいだが、それ以前からナオミ・ウルフはどんどんおかしくなっていた。 もともと主著『美の陰謀』でも、ルッキズムからくる拒症による死者数を、累計を毎年の数字だと思って数百倍にしてしまっており、いい加減さは有名だった。博士論文をもとにした近著Outrages!では、その中心にあった基概念である death recordedが、単なる形式上の記述なのを知らず当に死刑だと思って論を構築していたことが判明し、面目が丸つぶれ。その後、5G陰謀論、コロナ陰謀論、コロナワクチン陰謀論に次々にはまっていき、もはや信用を完全に失ってしまった。 2021年6月に、ナオミ・ウルフのツイッターアカウントが停止をくらった。 いやー、ついにそこま

    ナオミ・ウルフ (博士) の……凋落なのか元からそうだったのか…… - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    NOV1975
    NOV1975 2021/06/07
    なぜ凋落できるかというと、こういう致命的なやらかしをやったあとに少なくとも公的な場はちゃんとそれを致命的と受け取るからだよね。日本のメディアとかそういう仕事をちゃんとしねーから。
  • ピケティ『21世紀の資本』: r>g は格差の必要 or 十分条件か? - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    21世紀の資 作者:トマ・ピケティ発売日: 2015/04/27メディア: Kindle版 新年仕事始め前の小ネタ。ツイッターでこんなのみかけたのよ。 このツイ主は、浅田論文を読んでおくことでどういう知見を得るべきなのか、ここで採りあげているネット番組の問題提起に対してそれがどう関係してくるのかは明記していない。けれど、文脈から判断して、これは日で r>g が顕著になってきたことなんか重視すべきじゃない、それで格差なんか増えない、こんなんで騒ぐやつは煽りだ、と言いたいのだろうとぼくは判断する。 さて、この人がツイートないで言及している論文はこれだ。 core.ac.uk ちょっと待った、これ、COREか! ワタクシが座興で訳していたら「金払わないと訳しちゃダメ」と言ってそれを潰しやがった……まあいいや。勝手にやってたことだから仕方ないんだけど。が、閑話休題。 (なんか別物らしい。とばっ

    ピケティ『21世紀の資本』: r>g は格差の必要 or 十分条件か? - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    NOV1975
    NOV1975 2021/01/05
    「存在しない」って命題自体が何かおかしいか、何かの仮定を含んだ上でのものなのかじゃないと成立しないよなあ
  • 偉大なる首領スターリン閣下のありがたきインタビューでも読み給え。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    最近さまざまなメディアにおける人民諸君の発言を見るにつけ、であるな、多くの者が堕落し、あるべき革命精神を忘れ、軽視し、捨て去っているように見えるのだよ。特にへっぽこリベラルえせ知識人どもよ。そうした反革命分子どもにも、更正の機会を与えてやろうではないか。偉大なる首領、我らが指導者スターリン閣下のありがたきインタビューを読んで、あらためて社会における己の卑しき役割を再認識したまえ。 H・G・ウェルズによるスターリンのインタビュー、1934年7月 pdfが嫌な人は、この下に全文貼り付けてあるのでこのまま読み進めたまえ。 というわけで、H・G・ウェルズによるスターリンのインタビュー。大恐慌真っ最中の1934年にソ連を訪れたイギリスの大知識人たるウェルズは、もう資主義は終わりだ、社会主義の時代がすぐにやってくると、当時の (そして今の) 軽薄なリベラル知識人ぶりを全開にしてスターリンにインタビュ

    偉大なる首領スターリン閣下のありがたきインタビューでも読み給え。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    NOV1975
    NOV1975 2020/10/14
    なんだろうこの結果につながってない感…
  • 増田のジェイコブズ翻訳に関する記述が修正された件 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    2月20日に上げたエントリーで指摘した、増田悦差によるぼくのジェイコブズ翻訳に対するまちがった因縁記事が、修正された。該当する部分は削除され、その旨のコメントも最後についている。 素早い対応、感謝します。 一応、放置しようと思いつつも、このままだとNTT出版も可哀想かも、と思って連絡窓口に指摘をしておいたんだけれど、三日ほどで対応してくれたことになる。 Having said that... こうして直されてしまうとおもしろくないので、言わないままにしておけばよかったかなー。 都市って自由放任ではできないのよ で、ついでだから中身についてもコメントしておく。増田の主張は、ジェイコブズは都市計画すべてを否定していた、自由放任の都市がすばらしい云々、というもの。 これがとっても浅はかで馬鹿な主張だというのは、都市というもの――特にここで問題にされているような大都市――を考えればすぐにわかる。

    増田のジェイコブズ翻訳に関する記述が修正された件 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    NOV1975
    NOV1975 2016/02/26
    オチの話が面白かった
  • 高齢時の知能も子供の頃にかなり決まっちゃうんだって。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    貯まっていた Science をいっしょうけんめい消化しているんだけれど、そこで見たおもしろい記事。老化特集なんだけれど、そこで子供時代のIQと高齢になってからのIQを調べた研究についての話が出ている。 Emily Underwoood, "Starting Young" (Science 31, 2014/10) スコットランドで、11歳のときのIQとその50年後のIQを追跡調査で千数百人について追跡したんだって。そしてそれで得られた知見は……だいたい見当つくでしょ。11歳のときに高IQだと、高齢になってからも高IQだということ。50%くらいの説明力があるそうな。だいたい子供の頃にかなり決まっちゃうんだねー。幼児教育や児童教育はケチらずがんばろうぜー。それは高齢化対策にもなるんだから。 この研究で他におもしろかったこと。 ワイン飲んでも知能改善になるかどうかわからんらしい。 一日にワイン

    高齢時の知能も子供の頃にかなり決まっちゃうんだって。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    NOV1975
    NOV1975 2014/12/10
    教育が大事な可能性もあるけど、ポテンシャルの可能性もあるから難しいね。
  • ピケティ『21世紀の資本』:せかすから、頑張って急ぐけれど、君たちちゃんと買って読むんだろうねえ…… - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    Note (2014.08.04) What follows are some rants by the Japanese translator of "Capital in the 21st Century." I realized that it can be taken out of context (and that some people actually do such things), so I guess I need to explain what's going on. The whole piece was intended to serve as a half-joke expectation management. In Japan, there was some false rumor about the timing of the Japanese trans

    ピケティ『21世紀の資本』:せかすから、頑張って急ぐけれど、君たちちゃんと買って読むんだろうねえ…… - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    NOV1975
    NOV1975 2014/08/04
    だいぶ満足してしまった
  • エゴサーチ: 富岡日記とSF業界の後編 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    (承前) で、2014年5月に『富岡日記』関連の話題以外で、もう一つ山形が話題にのぼっている話が……大森望が日 SF 作家協会に入れなかった話。その原因は、巽孝之と小谷真理が大森望にずっと私怨を抱いているから、ということなんだが、それをさらに悪化させたのは、山形が聞きかじってきて裁判のタネにもなった小谷揶揄の替え歌にあって、何やらその替え歌に大森が関与していたという邪推があるとかないとか。 『オルタカルチャー日版』の「真相」 まずはっきり言えることは、その替え歌をぼくに教えてくれたのは、大森望ではなかったこと。具体的にだれかは覚えていないし、なんだか裁判のときにもやたらにしつこく訊かれたので、いっしょうけんめい記憶を探ったんだけれど。でも大森ではなかった。 その現場となった宴会には大森望もきていたとのことだけれど、これすら今となってははっきり記憶にない。宴会自体も一時間もいなかったはず

    NOV1975
    NOV1975 2014/05/20
    こういう背景があると「いまさらラノベにそれはSFですねとかいってすりよってこないでよおっさん」とか言われちゃいそうな業界ですねって思うね
  • エゴサーチ:富岡日記とSF - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    富岡日記 (《大人の棚》) 作者:和田 英みすず書房Amazon ツイッターで、2014年4月末にエゴサーチをしてみると、何やら突然二種類のネタでもりあがっていて、騒動好きのワタクシといたしましては嬉しい限り。 一つ目のネタは、富岡製糸工場が世界遺産入りするとかで、ぼくが勝手にスキャンしてアップロードした富岡日記が俄然注目を集めていること。すばらしいことです。が、言っておくとぼくは富岡製糸工場の世界遺産入りをまったく評価していない。というのも…… なぜぼくが『富岡日記』をアップロードしたかといえば、それがかなり手に入りにくい状態になっていたからだ。それでも当時から、世界遺産にしろという騒ぎはやっていた。さて富岡製糸工場は世界的に見て重要かもしれない。ぼくは特にそうとは思わないんだが、それはひとそれぞれ。でもそれなら、それを裏付ける資料を作ろう。なぜ大事なのか、何がおもしろいのかをきちんと

    エゴサーチ:富岡日記とSF - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    NOV1975
    NOV1975 2014/05/07
    ふっふっふが気になって本題がどうでも…はよくないけどさ、イデオロギーというか史観みたいなものって全部に適用しちゃうととたんにバカっぽくなるよね。
  • 藤原『ナチスのキッチン』:せっかくの調査が強引なイデオロギーはめこみで台無し。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    ナチスのキッチン 作者:藤原 辰史水声社Amazon ナチスというのは、とってもおもしろい存在だ。ビジュアルなこだわり、異様な合理性の追及の一方で、変なオカルトへの耽溺、あれやこれや。いろんな細かい部分をこだわって考えたりしているので、建築でも経済でも産業でもメディア利用でも、あらゆる面でナチスの活動は非常に興味深いものとなる。だから「ナチスのなんとか」というのはそれだけで大きな売りだし、ぼくのような読者に対しても、「おお、ナチスはあんな方面でもいろいろやっておったのか!」と思って各種著作やDVDを手に採らせる大きなセールスポイントになる。 その一方で、ナチスはとても便利な存在だ。あの異様な絶滅収容所の迫力はだれも文句が言えないし、何か文句なしの悪者が欲しければ、ナチスやヒトラーを持ち出せばいい。そしてナチスは、公共事業もやったし軍の装備近代化もしたしメディアも利用したし健康配慮もしたし禁

    藤原『ナチスのキッチン』:せっかくの調査が強引なイデオロギーはめこみで台無し。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    NOV1975
    NOV1975 2014/03/27
    もったいないねそりゃ
  • 「宇宙SFの現在」の感想 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    Space, the Final Frontier? 作者: Giancarlo Genta,Michael Rycroft,Franco Malerba,Michael Foale出版社/メーカー: Cambridge University Press発売日: 2003/02/13メディア: ハードカバーこの商品を含むブログ (1件) を見る 稲葉振一郎がシノドスに「『宇宙SF』の現在」(2014.03.22) なる一文を寄稿している。 論点としては、最近のSFでは宇宙進出がバーチャル化されていて、生身の人間の移住が出てこないということ。稲葉大人はそれが、異星人の必要性のためだと主張している。異星人に「他者」(これってときどき文系の人が使う、大仰でとんでもない絶対理解不能者みたいな意味じゃなくて、ちょっとちがう相手、くらいの意味の他者だよね? カッコつける必要ないと思う)として出てきても

    「宇宙SFの現在」の感想 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    NOV1975
    NOV1975 2014/03/23
    地球を捨てる動機としてはガンマ線バーストとか小惑星衝突ルートとかでいいんじゃないですかね今でも
  • 日銀黒田くんの東大講演雑感 (12/7@東大) - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    日銀ボスの黒田くんが、こないだ東大で講演をしたのでありますよ。 これを主催しているGraSPPとやらは、なんかGRIPSに対抗して東大が作っている大学院なのかな? で、当日行ってみると、なにやら緊張感のない坊ちゃん嬢ちゃんどもが世界中から集まったようなところらしいというのはわかりました。なんか半分くらいの人はその後の宴会が楽しみできてるみたいで、引率ツアーみたいなことになっていましたよ。ぼくは寄付とかもしているので、覗きにいけたのです。寄付はいろいろいいことがあるので、みんなやりましょう。 ちなみに、GrasPPって、これじゃないよねえ:http://graspp.info/ さて、講演自体は……期待したほどおもしろくなかった。まず、司会やってた伊藤隆敏がちょっとしゃべりすぎ。黒田くんとのなれそめバナシとか、あまりいらないよう。さらに、黒田総裁人の講演も黒田日銀の金融緩和策のおさらいで、

    日銀黒田くんの東大講演雑感 (12/7@東大) - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    NOV1975
    NOV1975 2013/12/26
    黒田くんみたいなポジションの人って「だいたいあってる」に慣れちゃってて公約というものの厳密性みたいなものをいい加減に考えている気がするんだよね。ほぼ達成だからいいじゃんとか思っていそう。
  • 新都市はつらいよ:世界の新都市の苦境 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    Starting from Scratch: Urban Dreamscapes (The Economist 2013/9/7 p.22) マスダールシティの建設計画が2006年に発表されたときには、SF古典『デューン:砂の惑星』から飛び出してきたように思えたものだ。アブダビの砂漠の中、世界最大の化石燃料備蓄の上に、世界初のカーボンニュートラルで廃棄物ゼロの都市を造ろうというのだから。だがこの都市は直接砂の上に建つのではない。あらゆる建物は持ち上げたデッキの上に建つ。そのデッキの下で市民たちは、自走ポッドに乗ってビュンビュン飛び交うことになる。さらに、灼熱の温度の下でも市民たちは快適に感じる。これは巧妙な都市計画のおかげで、たとえば日陰の多い狭い街路が、涼しい砂漠の風が吹きぬけるように配置されたりするわけだ。 発表から6年後の未来になると、この未来は前ほどすばらしいものではなくなっている

    新都市はつらいよ:世界の新都市の苦境 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    NOV1975
    NOV1975 2013/09/19
    増田町だと?それは未来的だ
  • イタリアファッション:縫い手がいない! あるいは機械との競争で勝つにはみんな大学に行かせろ、というのは本当なのか? - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    The Economist で見つけた記事。 イタリアファッション:縫い手がいない! (2013/6/22号) 全部訳すのはあまりに煩雑なんだけれど、つまるところ現在、イタリアの縫製業界が人手不足で困っているという話。イタリアのファッション業界がきわめて高い評価を得ているのは周知のことだけれど、それはデザインだけじゃない。当然ながら、その高度なデザインを支える高い縫製技術があるから。ところが、そうした人々はどんどん高齢化する一方で、若者はそういう職につきたがらない。するともうイタリアファッションがいずれ支えられなくなるのでは、というお話。 イタリアは一方では高失業率で悩んでいる。でも一方ではこういうところで、人手不足がたくさん生じている。でも肉体労働や手作業、工業の現場に対する蔑視があって、みんなホワイトカラーのオフィスワークで楽な高給取りになるのを夢見ている。だから給料はどうあれ、そうい

    イタリアファッション:縫い手がいない! あるいは機械との競争で勝つにはみんな大学に行かせろ、というのは本当なのか? - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    NOV1975
    NOV1975 2013/06/27
    この件「王様の仕立屋」でも言及されててよく取材されていると思ったけど、それはそれとしてジョジョネタが強烈すぎたw
  • 佐倉『「便利」は人を不幸にする』:くだらないラッダイト抑圧反文明論。ドラエモンすら読み損ねている。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    「便利」は人を不幸にする (新潮選書) 作者: 佐倉統出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2013/05/24メディア: 単行この商品を含むブログ (5件) を見る 題名を見た瞬間にどんなかわかると思う。便利すぎるのはよくないんだって。生活に不便を取り戻さなくてはならないんだって。消費社会というのは無理矢理、便利を生み出し続けなくてはならず、それがよくないんだって。 ここにある発想は、人々は便利なんか求めていないんだけれど、産業社会とか資家とか電通とか悪いやつらが、無理矢理便利さを人々に押しつけていて不幸になっているという図式。人々はバカで、自分にとって何が幸せかわかっていなくて、したがっておえらい学者様(佐倉みたいな)が適正な不便さを決めてそれを人々に強制しなければ、社会の価値観なるものを無理矢理ひっくり返してやらなければ、というわけ*1。 でも実際は、便利なものを求めるのは一般の

    佐倉『「便利」は人を不幸にする』:くだらないラッダイト抑圧反文明論。ドラエモンすら読み損ねている。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    NOV1975
    NOV1975 2013/05/25
    何かが便利になったらその御蔭で今までできなかったことをやるために苦労する、の繰り返しで社会は進歩していくわけだしさ。昔の人がシステムのバグで苦しんだかよって話で。
  • 実測データ収集へのこだわりで、被曝水準の低さが裏付けられる - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    デニス・ノーミル(Dennis Normile) 原文:Insistence on Gathering Real Data Confirms Low Radiation Exposures (Science 10 May 2013: Vol. 340 no. 6133 pp. 678-679) (翻訳 山形浩生) 東京: 2011年3月、福島第 1 原子力発電所での惨事が展開する中で、早野龍五は放射性物質の放出についてツイッター投稿を始めた。この東京大学素粒子物理学者は、次第に地域住民の被曝をめぐる論争にますます深く引きずり込まれるようになっていったのだった。当局がきちんとした事実を提供していないことに失望した早野は、学校給の放射性セシウム検査を始めた。これは福島周辺の環境で最も量の多い放射性核種だ。そして、汚染物をべることで地元住民がどれだけ放射性核種を吸収しているか計測しようとし

    実測データ収集へのこだわりで、被曝水準の低さが裏付けられる - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    NOV1975
    NOV1975 2013/05/10
    海外でこういうきちんとした評価が出ている一方で国内では…
  • 『中央公論』2013年5月号:まったく無内容なリフレ批判のオンパレード - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    中央公論 2013年 05月号 [雑誌] 出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2013/04/10メディア: 雑誌この商品を含むブログ (1件) を見る 中央公論という雑誌は、もうここ数年、ほとんど見る影もない状態になっている。昔、コラムや書評を一瞬だけ担当させてもらっていたせいか、いまでもずっと送られてくる。でも、当に特集も無内容で定見もない。2010年に、茂木健一郎と池田大作との往復書簡をのせて、大作マンセーをやらかしていたのはひたすら情けないばかり。その前も後も、特に定見があるわけでもないあたりさわりのない話を、煮え切らない視点で掲げるばかり。無知なくせに、なんか世間で話題になっているネタに聞いた風なことをいうだけの雑誌となり、もはや存在意義もないと思う。 特集「保守とリベラル」なんだが何も中身がない! で、その五月号は「保守とリベラル」なる特集なんだが……不思議なことに、全

    『中央公論』2013年5月号:まったく無内容なリフレ批判のオンパレード - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    NOV1975
    NOV1975 2013/05/02
    リフレはリフレで信じ切れないんだけど、その反論のほうが愚劣だと一旦は預けてもいいように思えるね。
  • 吉川『デフレーション』:混乱した本だし、10年以上前の小野山形論争蒸し返し。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    デフレーション: “日の慢性病”の全貌を解明する 作者:吉川 洋日経BPマーケティング(日経済新聞出版Amazon 朝日新聞書評委員が任期終了、最後っ屁でいまぼくがやるとしたらリフレ政策翼賛をやらずにどうするってことで、吉川洋『デフレ』なんてどうかな、と思ったんだが…… なんだ、これってデフレはけしからんからさっさと何とかせい、インフレデフレは金融的な現象だっってケインズもフリードマンも言ってるし、日銀さん、あんたの出番だよ、というかと思って読み始めたら、全然ちがうのね。 書は、デフレには金融政策は効かない、というだ。そして、デフレは実体経済に悪い影響をもたらすといいつつ、でもデフレは不景気の原因ではなく、実体経済が不景気なのでデフレという結果が出たにすぎない、という。そして、デフレをなくすには日が不景気を脱しなくてはいけないので、そのためには日がもっとイノベーションしなくて

    吉川『デフレーション』:混乱した本だし、10年以上前の小野山形論争蒸し返し。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    NOV1975
    NOV1975 2013/03/05
    確かに色々と味わい深い。