現在、欧米やアジアなどの世界各国で「動物の権利運動」が行われている。 動物の権利運動は「人間の利益のために、動物を利用・搾取する制度」を批判する。具体的には、大規模な集約式畜産制度・学問研究や新製品開発のための動物実験制度・動物の毛皮を利用した服や装飾品の作成と販売・サーカスや水族館などでの動物を用いた興行・闘牛や闘鶏、などの制度や慣習を批判し、大規模な規制か完全な撤廃を主張する。これらの制度や慣習はいずれも動物に多大な苦痛を与えて殺害するものであり、人間に多大な苦痛を与えて殺害する制度が非道徳的であることと同じように非道徳的である、ということが動物の権利運動の主張である。 英米では19世紀から動物愛護運動が存在しているが、過去の運動の対象は主に犬・猫といったコンパニオンアニマルであり、野良犬・野良猫の救済や個人によるペット虐待の取り締まりなどは主張しても、肉食の撤廃は主張していなかった。