南太平洋のフランス領ニューカレドニアで、地方参政権をめぐる憲法改正反対を理由にした暴動が起きた。ニューカレドニアは日本では映画などで「天国にいちばん近い島」として知られる。 混乱が長引けば影響力拡大を狙う中国の干渉を呼びかねない。仏政府は事態の沈静化に努めるべきだ。 先住民族は人口の4割を占める。選挙での彼らの比率を下げないよう、地方参政権は1998年以前に住んでいた人々などに限られていた。 仏本国の議会が、ニューカレドニアに10年以上居住する住民にも地方参政権を拡大する憲法改正案をつくったところ先住民の独立派が撤回を求めて暴動が始まった。建物や車への放火が相次ぎ、複数の死者が出た。在留邦人は航空機で退避した。 仏政府には、旧ソ連のアゼルバイジャンがソーシャルメディアなどを通じて暴動を煽(あお)ったとの見方がある。フランスが、アゼルバイジャンと犬猿の仲のアルメニアを軍事支援しているからだ。