近代化を誇示した中国軍事パレード 建国60周年 国産新兵器52種に 機械化進展、情報化も着手 拓殖大学名誉教授 茅原 郁生 中国・北京でさる10月1日に建国60周年の盛大な国慶節パレードが催され、軍閲兵式や10万市民による行進で山車60台が繰り出された。そこでは民族団結や経済発展の成果が誇示され、還暦を迎える共産党執政の正統性を称える派手なパフォーマンスが目立った。 今次、観閲式では解放軍の近代化の成果を国際社会に誇示するほかに、軍の威容を示すことで国内のナショナリズムを満足させ、さらに国内不安に対応する強権力を見せつける狙いも覗かせていた。閲兵式の目的について軍の機関紙『解放軍報』が「国威・軍威の発揚、民族精神の高振、愛国情熱の発露」と伝えたゆえんである。 実際、国家統合に向けた民族宥和の配慮が市民の山車などで強く前面に出された一方、閲兵式では鎮圧用の強権力や国民の国防教育