筆者が3月8日中西部ミシガン州デトロイトにあるバイデン選対に到着すると、20代と見られる約10名の若いスタッフがパソコンの画面を見て、黙々と仕事をしていました。 選対の雰囲気がサンダース陣営と全く違うのです。西部ネバダ州ラスベガスにあったサンダース選対では、若者のスタッフ及びボランティアの草の根運動員がワイワイガヤガヤしながら、戸別訪問の準備並びに電話による支持要請を行っていました。サンダース選対には開放的な雰囲気がありました。 バイデン選対で働いている大卒3年目のスタッフであるディオンさんとコミュニケーションを3日間とりましたが、彼は学生ローンの債務について1回も語りませんでした。他のスタッフも同様です。おそらく、彼らの親はエスタブリッシュメント(既存の支配層)で、不自由のない生活を送っているのでしょう。 バイデン陣営のスタッフであるクインさんと同月12日、中西部オハイオ州コロンバスで標
投票率が上がらない! そんな国内の悲鳴にも似た事情を尻目に、海外ではあの手この手の工夫で投票率アップに成功している国がある。その代表がオーストラリアだ。 かつて大きく低下したのに、90%を超えることに成功した。 いったい、どんな方法を取っているのか。 (小宮理沙) 投票しないと罰金! ことし5月18日に行われた、オーストラリアの議会選挙。 シドニー中心部の投票所では、投票が始まる前から大勢の人たちが列を作った。 同じような光景は全国各地でみられたという。投票率はなんと91.89%に上った。 実はオーストラリアでは18歳以上の有権者が国政選挙で投票することが義務化されている。正当な理由なく投票しなかった場合、日本円にしておよそ1500円の罰金が科されるのだ。 かつて、オーストラリアの議会選挙の投票率は50%台まで下がったことがあった。しかし1924年にこの制度が導入されて以降、投票率が90%
<子供にも選挙権を? 「我々有権者の多くは政治に関してほとんど何の知識も無い」 という調査結果が出されている> アメリカにおいて、21人の子供が政府を訴える訴訟が始まった。 トランプ政権が地球温暖化を否定していることはよく知られているが、それによって被害を受けるのは子供世代であるとして、地球温暖化を促進する石油燃料の生産に必要な機材のリースの一時差止を求めるといった内容のようだ。ノーベル賞経済学者のジョゼフ・スティグリッツも、原告側を支持する意見書を提出している。 この種の訴訟は、裁判の勝ち負けよりも、ある社会問題に目を向けさせることを重視した、いわゆるパブリシティ・スタントであることが多いわけだが、それはそれとして、現時点の子供たちの未来の権利に関して、それをどう民主主義に取り込むかということについては、様々な議論がある。 子供に投票権を付与して、親が代理で投票する「デメーニー投票」 と
世界各地の独裁政治を研究してきたハーバード大学教授である著者が、民主主義がどのように、そしてなぜ死ぬのかを追求する。著者はあらゆる場所、時代の民主主義が死んでしまった事例を紹介しながら、当たり前に享受している民主主義がいかに微妙なバランスのうえで成り立っているものなのかを教えてくれる。幅広いケースを考慮する本書だが、議論のフォーカスはアメリカおよびトランプ現象に当てられいるので、日々伝えられるアメリカ政治の異常事態の意味がより良く理解できるようになるはずだ。米連邦最高裁判所判事にカバナーが選ばれたことがどれほどの意味を持つ事件なのかを思い知る。 民主主義が崩壊する瞬間といえば、銃を持った兵士や市民をなぎ倒そうとする戦車を思い浮かべるかもしれない。たしかに、アルゼンチン、ブラジル、ガーナやパキスタンのような冷戦時の民主主義崩壊の4分の3は、軍事力を用いたクーデターによってもたらされた。しかし
<紅林 進> 今回の総選挙で、自民党が圧勝したように言われていますが、棄権者をも含む全有権者の中での得票割合を示す絶対得票率でみれば、自民は比例代表選挙で16・99%、 小選挙区で24・49%に過ぎません。 自民党は、今回の総選挙で、小選挙区は得票率48%で76%の議席を獲得しました。 総得票数は2012年の前回選に比べてわずかながら減少し、有権者全体に占める得票割合,、絶対得票率は24・49%、約25%です。 小選挙区で落選した候補に投じられて議席に反映されなかった「死票」は2540万票で、全体の48%にも達しました。 前回、前々回の総選挙同様、得票率と獲得議席数が大きく乖離する小選挙区制の矛盾が如実に現れています。 得票率に比例して獲得議席数が決まる比例代表選挙での自民党の得票率は33・1%、絶対得票率では16・99%に過ぎません。 『日本経済新聞』も12月15日付夕刊で、「自民、得票
文/菅原琢(政治学者) 10日の投票日を控え、メディアの注目は来る参議院選挙の結果に集まっている。その一方で、参院の選挙制度が内包する「欠陥」について報じられることはない。 だが、この問題は選挙結果を歪ませ、政策にも影響を与える重大なものであることから、簡単に解説しておきたい。 参院の選挙制度は、全国単位の比例区とほぼ都道府県単位の選挙区の2つに分かれており、有権者は比例区と選挙区それぞれで票を投じる。 比例区は各政党の得票に応じ、機械的に議席が比例配分される。これに対して選挙区は、候補が獲得した得票が多い順に、その選挙区の選出議員の数(以下、定数)の候補が当選する。 通常、参院選挙制度において最も問題視されるのは、その選挙区間の一票の格差である。言うまでもなくそれは問題だが、ここでは選挙結果により大きな影響を与える、あまり知られていない問題を指摘したい。 その問題とは、都道府県別に定数が
性質[編集] 1選挙区につき1人しか当選できないため、区割りとの相関が低い意見の対立は、議会に持ち込まれにくく、多数代表の性質が強くなる。一方、各選挙区は別々に分かれて選挙を行うため、区割りとの相関が高い意見対立は再現されやすく、少数代表の性質が強い。いずれにせよ、選挙候補者は二大政党に所属していたほうが選挙で当選する可能性は高くなる。したがって、特定地域の支持者を背景に政界に新規参入しようと欲する候補者は、対立候補者が二大政党の片方から既に立候補していた場合には、政策・主張の差異があろうが無かろうが、もう片方からの立候補を検討する必要に迫られる。その結果として政策論争がないがしろにされる懸念が生じる[1]。 区割りとの相関が低い問題については、議員の間に根深い対立がないので、審議は速やかに完了し、満場一致で議決が下る場合もある。また、同じく多数代表の選挙方法で選ばれる政府と同調しやすく、
得票率に比べて議席占有率が高くなる小選挙区の特性は、今回の衆院選でもはっきり表れた。自民党の得票は48%と半分以下だったにもかかわらず、議席占有率では76%に達して、他党を圧倒した。同様の傾向は2005年に小泉純一郎首相(当時)が主導した「郵政選挙」から4回連続だ。有権者全体に占める得票割合は25%にとどまった。各選挙区から1人しか当選できない小選挙区制度では勢いがある大政党ほど有利に働く。民
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