従軍慰安婦問題にかぎらず、少女だけに社会問題を表象させるべきではないという問題提起は、もちろん朴裕河氏よりも昔からあったし、私個人も同意できる。 また、頁数が多い分厚い書籍であることと、どうにも読み進めることが難しい内容なので、見落としている可能性は正直ある。 それを念頭において以下の文章を読んでほしい。 まず、朴裕河氏は既存の学説に言及こそすれど、より有力としてとなえる自説の根拠ははっきりしないものが多い。 たとえば慰安所設営の動機として性病対策に言及しつつ、それは付属的なものであったと主張する*1。 性病防止などが慰安所を作った第一の理由に考えられているが、それはむしろ付属的な理由と考えられる。むしろ、戦闘の合間の駐屯地に軍専用に指定するなどして利用していた既存の売春施設の利用方式から一歩進んで、軍が主体的にその供給に出たものと考えるべきだ。 以降、からゆきさんなどの歴史から「同志的関