野麦峠(のむぎとうげ)は、岐阜県高山市と長野県松本市の県境に位置し、飛騨国と信濃国を結ぶ鎌倉街道・江戸街道と呼ばれる街道の峠。乗鞍岳と鎌ヶ峰の間にあり、標高1,672 mの地点にある[1]。長野県道・岐阜県道39号奈川野麦高根線が通っている。1968年に発表された山本茂実『あゝ野麦峠』の舞台でもある[1]。 概要[編集] 『あゝ飛騨が見える』と言い残して死亡した政井みね(右) 古来から野麦街道最大の難所として知られ、能登で取れたブリを飛騨を経由して信州へと運ぶ道筋であった[2]。野麦峠には、日本最高所の水準点がおかれている[3]。北に乗鞍岳、南に御嶽山が望まれ景観が素晴らしい。 峠の名は、峠に群生する隈笹が10年に一度、麦の穂に似た実を付けることがあり、土地の人に「野麦」と呼ばれていたことによる[4]。凶作の時にはこの実を採って団子にし、飢えをしのいだ。また小説によれば、就労先で妊娠し、厳