130. 重力波検出の意義と今後の進展(2016/2/12) 重力波が検出されました。ここではその科学的意義と今後するべきサイエンス について解説し、私見を述べます。 まず、何がどのようにして観測されたか、ですが、 論文 にあるように、 36 太陽質量(太陽の質量の36倍)のブラックホールと 29太陽質量のブラックホール同士の合体です。起こった場所は正確にはわから ないですが、我々からの距離はわかっていて13億光年です。 何故重力波を観測したというだけでブラックホールであるとか質量とか距離が いきなりわかるのか、というと、ブラックホールの合体、というイベントを考 えると、その最重要なパラメータは質量です。合計の質量で最後の合体の瞬間 にでてくる重力波の周期が決まり、質量の比もわかると振幅の絶対値が決まります。 さらに、最後の合体の前の数回転でどれくらいの速さで軌道が縮んだか、とい うことか
フィンランド・アールト大学は1月11日、実際に動作する「マクスウェルの悪魔」を回路上に製作したと発表した。 マクスウェルの悪魔とは、1867年にジェームズ・クラーク・マクスウェルた提唱した思考実験。2つに仕切られた容器の中で、仕切りに開いた穴にいる「悪魔」が右から来る温度の高い粒子だけ/左から温度の低い粒子だけを通すように働けば、熱力学的な仕事なしに温度差を作り出せる。 これは熱力学第二法則に反しており、エントロピーが減少する(原理的には必ず増大する)ことになるというパラドックス。現在では情報の受け渡し(粒子の温度を悪魔が見るという行為)があるため、熱と情報を並べて扱えばエントロピーの減少にはあたらないとされている。 あくまで思考実験であり、実際に実験を行なって確認するような理論ではなかったが、アールト大学の研究者は極低温の超伝導材料を用いたトランジスタを利用し、電荷によってゲートを開け閉
図3. テトラ中性子のエネルギーの関数として、反応した事象数を表したスペクトル。横軸の0MeV(百万電子ボルト)は、4つの中性子がバラバラになるギリギリのエネルギー(しきい値という)を示す。テトラ中性子共鳴状態の候補が0-2MeVに4事象、反応後直接崩壊したと考えられる20あまりの事象とあわせて測定された。 拡大画像 物質質量の大半を担う原子核は、通常、陽子と中性子の組合せで構成されているが、東京大学大学院理学系研究科附属原子核科学研究センターと理化学研究所仁科加速器研究センター等の共同研究グループは、陽子を含まず中性子4個だけからなるテトラ中性子共鳴を初めて発見した。この共鳴は、原子核物理学の重要な研究課題である中性子物質(注3)の性質に直接関わるものとして実験的にも理論的にもその存在の有無が注目されていた。この状態のエネルギーは核力(注4)の性質のうち3つの中性子の間に働く三体力(注5
電子の寿命は宇宙の年齢の500京倍以上。てか、電子も死ぬの?2015.12.22 20:4515,052 福田ミホ 思ってたよりさらに長生きだった。 物理学の世界には、電子は基本的になくならないものだという前提があります。今回それを覆す可能性もある実験が行われた…のですが、結果的には従来の考え方の正しさが再度裏付けられることとなりました。でもその実験によって、電子の最短寿命が今まで考えられていたよりさらに長いらしいことがわかりました。何しろ6.6×10の28乗=66000000000000000000000000000年または6.6穣年というまさにケタ外れの長さであり、宇宙の今の年齢と比べてもその約500京倍の年月なんです。 長い長い時間 電子は亜原子粒子の中で一番軽く、マイナスの電荷を持っています。そこには内部構造がないとされ、そのため宇宙に存在するもっとも基本的な要素だと考えられていま
ヘリウムと言えば、色とりどりの風船をふくらますヘリウムガスが頭に浮かびますが、それだけではありません。ヘリウムは量子科学者にとって、物質に隠された最も謎めいた特性を解き明かすために必要とされる物質でもあります。この度、沖縄科学技術大学院大学のデニス・コンスタンチノフ准教授率いる国際研究チームがヘリウムを使った実験をおこない、電子が圧縮性を失う状態を発見しました。これは、超低温およびマイクロ波放射下の環境で電子が液体ヘリウムにとらわれると、圧縮性を失うというものです。パリ第11大学(Universite’ Paris-Sud)と理化学研究所の研究者との協働によるこの研究成果は、ネイチャー・コミュニケーションズ(Nature Communications)誌に掲載されました。 圧縮率は、圧力を受けた時の物質の体積変化を表します。通常、圧縮率はプラスを示しますが、より強い力が加わると体積が小さく
量子の非局所性の厳密検証に成功――新方式の量子コンピュータにも道:アインシュタイン提唱の「物理学の100年論争」が決着!(1/3 ページ) 東京大学 教授の古澤明氏らの研究チームは2015年3月、約100年前にアインシュタインが提唱した「量子(光子)の非局所性」を世界で初めて厳密に検証したと発表した。検証に用いた技術は、「新方式の超高速量子暗号や超高効率量子コンピュータへの応用が可能」(古澤氏)とする。 東京大学 教授の古澤明氏らの研究チームは2015年3月24日、約100年前にアインシュタインが提唱した「量子(光子)の非局所性」を世界で初めて厳密に検証したと発表した。検証に用いた技術は、「新方式の超高速量子暗号や超高効率量子コンピュータへの応用が可能」(古澤氏)とする。なお、この研究成果は、英国の科学雑誌「Nature Communications」(2015年3月24日[現地時間]オン
レーマーが史上初めて光速度を測定した方法を説明します。その内容を要約した論文(日本語訳)を参考にしながらお読み下さい。 1.事の始まり 木星の衛星は木星のまわりを回っているのですが、地球から見て木星の裏側に隠れること[“食”と言う]が周期的に起こる。しかし、その食が起こる周期が時と共に少しずつ変動することが解ってきた。レーマーは長期間にわたって食が起こる時刻を観測して、その変動の原因をつきとめ、その変動量から光の速度を見積もった。 (1)大航海時代 なぜレーマーはその様な単調な観測の仕事に関わり、また継続したのでしょうか。それには理由があります。当時拡大する新世界との貿易、航海の増大のために、ヨーロッパの国々は遠洋航海中の船の正確な位置を知ることや、新世界の正確な地図を必要としました。 そのときの問題点を、未開地の地図を作る場合で説明する。未開地の緯度はそこで観測される北極星の水平面からの
マイケル・ファラデー単語 マイケルファラデー 1.2千文字の記事 4 0pt ほめる 掲示板へ 記事編集 概要関連動画関連項目掲示板マイケル・ファラデーとは、19世紀に活躍した実験物理学者である。今日では「ファラデーの電磁誘導の法則」や電気容量を表す「ファラッド」にその名を残している。 概要 詳しい経歴はWikipediaさんに任せる。 おそらく、物理学史上最高の実験屋。 1791年、イングランドに生まれる。貧しい家庭だったらしく、学校は小学校までしか出ていない。後年、協働し電磁気学を完成させたマクスウェルとは対照的である。 当然、高等な数学的素養も持ちあわせていなかったが、ファラデーはその神から与えられたとしか言いようの無いセンスにより当時としては非常に画期的だった「電気力線」という考え方を導入する。他にも有名な電磁誘導の法則などを発見し、電磁気学に多大な貢献をした。 しかしファラデーに
現代物理学の基本とされる「不確定性原理」が成り立たない場合があるとした新理論「小澤の不等式」について、東北大と名古屋大の研究グループが新たな測定法による実験で検証に成功した。盗聴を防ぐ量子暗号通信や宇宙観測などへの応用が期待される。小澤の不等式を2003年に提唱した名古屋大の小澤正直教授と東北大の枝松圭一教授らによる研究成果で、米物理学会誌「フィジカル・レビュー・レ
子供のころに磁石で遊んだことがある人は多いのではないでしょうか。磁石には、N極とS極によって引き合う力「引力」と反発し合う力「斥力」が働きます。 今回は、この力をうまく1つにすることで発生する驚きの現象をご紹介します。こんな磁石、見たことありません。 この新発見は、2012年に特許を取得したもので、最近になって知られるようになった特性です。 使われているのは2つのネオジム磁石で、黒い輪には6つの磁石が配置されています。本来ならN極とS極の合わせ方で、くっついたり離れたりする磁石ですが、磁石に小さな磁石を配置した黒い輪をはめ込んで近づけると、信じられない現象が発生します。 その現象とは、2つの磁石がくっつきながら一定の距離から離れた引力と斥力が融合したような状態となるもの。離そうとしても2つの磁石は近づきますが、近づけようとしても2つの磁石は離れます。 矛盾した2つの状態が同時に起こっている
これがCGシミュレーション!? 本物と見分けがつかない「雪」アルゴリズムをディズニーが発表(動画あり)2013.12.03 07:009,454 ディズニーが新開発した「雪」に関するアニメーション生成テクノロジー。その驚異的なシミュレーションレベルがとにかくハンパないと話題になっています。今回の技術は非Pixar系の新作3DCG映画「アナと雪の女王(原題:Frozen)」で使われており、仕組みを説明した動画がSIGGRAPH(シーグラフ/アメリカコンピュータ学会でCGを扱う分科会)でも公開されています。 再現アルゴリズムを生み出す数学者と物理学者には、いつも驚かされっぱなしですよね。世界がどんな風に見えているのか、その脳内を覗いてみたい…! Jesus Diaz(Rumi /米版)
シュテルン=ゲルラッハの実験(シュテルン=ゲルラッハのじっけん、英: Stern–Gerlach experiment)は1922年にシュテルンとゲルラッハが行った実験である。加熱して蒸発させた銀原子をビームとして磁場中に通過させると、ビームは2点に分かれることを示した。これは、電子にスピンがあることを示す。 シュテルン=ゲルラッハの実験の模式図 古典的予測[編集] ビームの向きが変わることから、銀原子ビームは磁気モーメントを持っていることがわかる。銀は強磁性体ではないが、磁場の影響で電子の磁気モーメントがそろい、全体としてモーメントを持つ。不均一な磁場をかけるのは、磁気モーメントが磁場から磁力を受けるようにするためである。 ビーム中の個々の銀原子については、磁気モーメントの向きおよび大きさは自由なので磁場から受ける力もさまざまである。したがってビームの先のスクリーン上では、ビーム軸を中心
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