「実際は、こんな悠長なことしてられないんじゃないの?」「乗客も“役”を演じているだけだし、ホントはもっとパニック状態のはずじゃ……」 東京メトロが10月27日に東京・新木場の総合研修訓練センターで開催した「異常時総合想定訓練」と、西武鉄道が11月10日に玉川上水車両基地で開催した「総合復旧訓練」。両社の訓練を取材する前、中年記者はそんな気持ちを勝手に抱いていた。 でも実際に両方の訓練の現場に立つと、「ひとごとの訓練ショーではなく、大事なイメージトレーニングだ」ということにあらためて気付かされた。 震度6弱の地震を想定 両社の訓練想定と目的を項目ごとに比べてみよう。 まず東京メトロの訓練内容は、震度6弱の首都直下地震が発生し、日比谷線・人形町―茅場町間で走行中の列車が脱線したというもの。車外脱出者3人(重傷1・軽傷2)、車内負傷者4人(重傷1・軽傷2・車いす1)を想定。異常時における初動対応