スペインのホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ首相がいてくれて、本当によかった。金融危機が勃発してから3年、欧州の首脳が初めて、賢明にして驚くべきことをやってのけた。 単独で自国銀行のストレステスト(健全性審査)の結果公表を決めたスペインの決断は、6月17日にブリュッセルで開かれた欧州連合(EU)首脳会議で加盟国を動かし、各国はスペインに追随し、欧州らしからぬ度合いの透明性を受け入れることになった。 これは果たして我々が、悲惨な危機をようやく克服できることを意味しているのだろうか? 今のところ、EUが合意したのは、金融機関25社のみのストレステストの結果公表だ。対象となる25社はユーロ圏の主な問題銀行ではない。 各国政府がストレステストの対象をほかの銀行にも広げる可能性はあるが、飛び上がって喜ぶような理由にはならない。 間違った危機と戦う欧州政府 根本的な問題は、各国政府がまだ間違った危機と