百日咳は、子どもの病気というイメージがあります。たしかに、従来は子ども、それも乳幼児に多い病気だったので、おとな(成人)には関係ないと思われていました。 ところがその百日咳が、おとなに急増しています。国立感染症研究所感染症情報センターによると、患者に占める成人(20歳以上)の割合が2001年にはわずか2.8%だったのが、この10年間毎年増え続け、2010年(1~4月)には56%に達しました。つまり、現在では半数以上が、おとなの患者さんなのです。 しかもこの数値は、全国約3000カ所の小児科での報告に基づくものなので、内科などでの数(見過ごされている数もふくめて)を加えると、もっとずっと多いと考えられています。 そのわりにあまり話題にならないのは、おとなの場合、百日咳にかかっても咳が長引く程度で、重症化する例が少ないからです。しかし、百日咳は感染力が強いので、すでに感染した人の咳などから次々