今回の震災の特徴の一つは、直接被災した人たち以外にも、広範囲にわたって多くの人の生活に影響を及ぼしたことでした。多くの人が不安を感じている放射性物質の拡散や、本番は今夏だとも言われる計画停電は、東京以西の人々の生活にも大きな打撃を与えています。中でも、文字通り物理的に生活を直撃しているのが、メディアでも大きく報じられている買占め(panic buiyng)です。被災地以外のスーパーや小売店からミネラルウォーター、米、パン、保存食といった食料品が姿を消し、乾電池やガスコンロといった電化製品やガソリンも品薄が続いています。中には、買い占めた乾電池を高値で転売するという、戦後の闇市さながらの暗躍を見せる輩までいて驚かされます(しかも高値で買う人がいるという事実に二重に驚いた。なぜか週刊少年ジャンプまで値が高騰しているけど、この理由は不明)。 買占めの悪いところは、言うまでもなく、経済全体で見たと
6月、大阪府北東部の運送会社2社が相次いで廃業に追い込まれた。両社は創業以来、積極的に事業展開して成長し、同業者からも一目置かれていた存在であった。しかし、両社とも大手の上場荷主企業との取引を優先し、結果的に、その1社への依存度が大きくなったことがアダとなったようだ。関係者は、「1社への依存は楽だが、今のご時世、大手と言っても何が起こってもおかしくない。リスクを分散するためにも1社への依存度は極力分散させるべきでは」と話している。 関係者の話によると、廃業した1社は平成10年に設立。ピアノの運送からスタートしたが、徐々にピアノ人口が減少し配送単価が下落する中、コピー機などOA機器の取り扱いも開始。コピー機大手の荷主企業と取引を始め、配送センターの担当者と懇意になって事業を拡大。台数は20台前後に増え、国際規格であるISOも取得。コピー機大手1社で同社の売り上げがまかなえるぐらいの商いができ
執筆者 田中 伸幸 東京工業大学大学院修了、電力中央研究所入所。主に化学物質の環境リスクについて研究している。料理は趣味で、週末は3食とも担当 調理と化学物質、ナゾに迫る 田中 伸幸 2012年7月11日 水曜日 前回のコラムでは、脂質の多い食材を焼き調理するとPAHsが多く発生することをお話しました。今回は、この「焼き調理」について、もう少し追究してみましょう。 一口に「焼く」と言っても、その方法は多岐にわたります。焼き肉はフライパンを用いることもあれば、ホットプレートで作ることもあり、時には外でバーベキュー、あるいは風流に七輪で焼くなんてこともあるかもしれません。この「焼き方」は大きく、(1)加熱源(ガス、電気、炭など)、(2)調理器具(フライパン、網、オーブンなど)の違いにより分類できます。 今回は話を単純にするため、加熱源はガス(都市ガス)に固定します。また調理器具は、魚を焼く際に
牛の生レバーの飲食店などでの提供が禁止される前の先月末、秋田市の飲食店で「レバ刺し」を食べた8人が下痢や発熱などの症状を訴え、保健所は「レバ刺し」が原因の食中毒とみて、この店を5日から3日間の営業停止処分にしました。 秋田市保健所によりますと、先月28日、秋田市大町の「やきとり宮本大町店」で「レバ刺し」を食べた10人のうち、8人が下痢や発熱などの症状を訴えました。 8人はいずれも快方に向かっていますが、保健所が調べた結果、このうち5人からレバーの内部に付き、食中毒を引き起こす細菌の「カンピロバクター」が検出されたということです。 牛の生レバーの飲食店などでの提供は今月から禁止されていますが、秋田市保健所は禁止の前に提供された「レバ刺し」が原因の食中毒とみて、この店を5日から3日間の営業停止の処分にしました。 秋田市保健所は「牛の生レバーは今月から提供が禁止されている。十分に加熱し、絶対に生
58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、2005年に楽天証券経済研究所客員研究員、23年3月から現職。 山崎元のマルチスコープ 旬のニュースをマクロからミクロまで、マルチな視点で山崎元氏が解説。経済・金融は言うに及ばず、世相・社会問題・事件まで、話題のネタを取り上げます。 バックナンバー一覧 日本国債が暴落する? メディアは「危機」で売りたい 先日、ある週刊誌から取材の電話があった。以下は、おおまかなやりとりだ。 記者「実は、将来、日本国債が暴落する場合に何が起こるか、そのために今から何を備えておけばいいか、というテーマで記事を書こうと思っています。たとえば、今、手元に2000万円持っているとすると、国債暴落のリスクに備えて、どんな運用をしたらいいのかについて、教えて欲しいと思います」 山崎「そ
どんなコラム? 職業は科学ライターだけど、毎日お買い物をし、家族の食事を作る生活者、消費者でもあります。多角的な視点で食の課題に迫ります プロフィール 京都大学大学院農学研究科修士課程修了後、新聞記者勤務10年を経て2000年からフリーランスの科学ライターとして活動 (株)明治のフォローアップミルク「明治ステップ」(850g缶)の一部の製品から放射性セシウムが検出され、「取り替え」が6日から始まった。 明治のお知らせ 乳業メーカーには問い合わせが相次いでいるそうで、マスメディアも大々的に取り上げている。不安に陥っている人も多いだろう。でも、誤解が誤解を呼んで「けしからん」になっている面もあるように思える。事実関係を整理しておきたい。 (1) 取り替え対象の「明治ステップ」は、フォローアップミルク テレビや新聞等では「乳児用粉ミルク」と表現されていることが多いようだが、粉ミルクには、母乳代替
直下地震の発生が懸念される首都圏で東日本大震災以降、プレート(岩板)境界型の地震が急増していることが、東京大地震研究所の酒井慎一准教授らのチームの解析で分かった。マグニチュード(M)7級の地震発生で1万人以上の死者が出ると国の中央防災会議が予想した東京湾北部など、首都圏直下の3カ所のプレート境界で地震活動が活発と推定している。 首都圏の地下には、陸、フィリピン海、太平洋の3枚のプレートが複雑に重なり合っている。1923年には関東大震災(M7.9)が起きた。古文書などから首都圏ではM8程度の巨大地震が200年周期で発生し、その間にM7程度の地震がしばしば起きたことが分かっている。 チームによると、大震災後の半年間に首都圏で起きたM3以上の地震は計347回で、過去5年間の合計530回に迫り、半年当たりの回数では6.6倍に上った。これらの約8割がプレート境界型だった。 特に活発化していると見られ
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