世界でキャッシュレスの流れが強まるなか、日本の「現金主義」は時代遅れだとよく批判されます。けれども、そう簡単に決めつけてよいものでしょうか。 現金のメリットを再確認させる出来事が最近ありました。米自治領プエルトリコを襲った巨大ハリケーンの被害です。全土が停電し、クレジットカードが使えなくなりました。 ブルームバーグの報道によれば、スーパーマーケットやコンビニエンスストアは店頭に「現金払いのみ」と表示を掲げました。 銀行の店頭には現金を求める人々で長蛇の列ができました。64歳の音楽教師の男性はこう話します。「食料やガスを買うお金がいるのです。いつもはカードで払うのですが」 ブルームバーグの別の記事によれば、現地の銀行家の求めに応じ、ニューヨーク連邦準備銀行のウィリアム・ダドリー総裁がジェット機に現金を積み、運ばせたそうです。 クレジットカードや仮想通貨などキャッシュレス決済の弱みは、電力を確