ソニー、ディズニー、AOLなど国内外の名だたる企業で経験を積み、米アップルの本社で副社長も務めた前刀禎明氏は、これまで独自の視点で技術や製品とマーケティングの関係を語ってきた(関連記事:前刀 禎明の「モノ売る誤解 買う勘違い」過去記事)。その視点はどのような経験から生まれたのか。 “後ろ向きなマーケティング”は要らないと思った 僕はマーケティングを専門にしていますが、昔から市場調査・分析はビジネスにはあまり有用でないと感じていました。大学時代に多少なりとも学んでみて、そういう結論に至ったのです。この材料からこの方法でこんな予測が立つ、結果に照らしてみてやはり予測は正しかった、などと学術的には検証できると思いますが、ビジネスでは過去のデータを分析することに時間を費やす“後ろ向きなマーケティング”が有効な場面はほとんどありません。 こうした問題意識は一般にも広がっているのか、最近では、経営戦略