前回は簡単にシェークスピアが英語圏でどのような意味を持っているのかについてお話ししました。人気アニメ・ポケモンのセリフにも登場し、新聞の見出しにも使われるシェークスピア。そのブランド力は約6億ドルで、日本のトップ企業をもしのぐほどということをご紹介しました。 このようにシェークスピアは、極めて強い影響力を持ち、ポピュラーカルチャーからジャーナリズムに至るまで、「英語を使う以上どこかでぶつからないでいるのが難しい」ような存在感を放っています。 日本ではしばしば「役に立たない英語」の代名詞のように扱われることがあるのですが、「全く知らない」状態では、新聞や雑誌を読んでいても、思いがけないところでつまづくことになります。知っていて当然という前提で文章が書かれることが多いからです。 連載第5回でご紹介した「文化リテラシー」概念を提唱したE.D. ハーシュは、前提知識を「貨幣のようなもの」だと捉えて