歴史学者、元教科書調査官、高校教員たちが高校世界史教科書の記述を吟味し、製作の舞台裏を明かす。(1)記述内容と執筆者に関する分析、(2)検定を行う文部科学省、教科書会社、高校教員、受験産業など、教科書というモノ、商品が作られるプロセスや制度、関係者に関する分析、この2方面のアプローチから浮かび上がる実態。 序 第Ⅰ部 高校世界史教科書記述の再検討(一)オリエントからアメリカへ 第1章 高校世界史教科書の古代イスラエル史記述[長谷川修一] はじめに 一 高校世界史教科書の古代イスラエル史記述 二 古代イスラエル史記述の背景 三 「史実」とは何か おわりに 第2章 古代と近代の影としての中世ヨーロッパ[小澤実] はじめに 一 執筆者の問題 二 現行教科書記述における問題点 三 現行教科書記述を規定する枷 おわりに 二〇一八年の高校世界史教科書 第3章 高校世界史教科書の中・東欧記述[中澤達哉]