超民主制としてのコンテンポラリー・アート ボリス・グロイス コンテンポラリー・アートについて語る際、それが、定義上はグローバルで国際主義的な現象であるということを忘れるべきではない。二〇世紀初頭、芸術の古典的アヴァンギャルドは、国家と密接に結びついたヨーロッパ的芸術の伝統と決別した。この古典的アヴァンギャルドは、特定の国家領域を代表しようとせず、領土の歴史的発展のための踏み台にもなろうともせず、むしろアヴァンギャルドの時代のみを表象しようとした。そもそも、近現代の芸術は、近現代の技術と同様に〔国家権力からは〕脱領土化されている。しかし、今日我々が経験しているものは、政治と文化の再領土化に他ならない。人々は自分自身の文化アイデンティティを強く求め、この文化アイデンティティをアートに代弁させようとしはじめた。世界のあらゆる場所で、新しい右翼系のナショナリズム政党が生まれている。こうした動向は、