天皇皇后両陛下がアウシュビッツとフクシマの悲劇を題材にした「能」の舞台を鑑賞された。 両陛下は14日夜、国立能楽堂で新作の能「鎮魂」を鑑賞された。この能は元駐日ポーランド大使で能の研究家でもあるロドヴィッチさんが東日本大震災での経験をもとに台本を書いたもの。大震災の津波と原発事故で息子と故郷を失った福島の男性が、ポーランドのアウシュビッツ強制収容所跡を訪れる物語で、死者の声に耳を傾けていく中、「鎮魂と救済」がなされるさまが描かれている。 また、ロドヴィッチさんは震災翌年の歌会始で両陛下がそれぞれ震災を詠まれた和歌に感銘を受け、作品の中に取り入れた。両陛下は真剣な表情で鑑賞し、帰り際に「素晴らしい」と感想を話されていた。
あけがたにくる人よ 永瀬清子 あけがたにくる人よ ててっぽう(※)の声のする方から 私の所へしずかにしずかにくる人よ 一生の山坂は蒼(あお)くたとえようもなくきびしく 私はいま老いてしまって ほかの年よりと同じに 若かった日のことを千万遍恋うている その時私は家出しようとして 小さなバスケットひとつをさげて 足は宙にふるえていた どこへいくとも自分でわからず 恋している自分の心だけがたよりで 若さ、それは苦しさだった その時あなたが来てくれればよかったのに その時あなたは来てくれなかった どんなに待っているか 道べりの柳の木に云えばよかったのか 吹く風の小さな渦に頼めばよかったのか あなたの耳はあまりに遠く 茜色の向うで汽車が汽笛をあげるように 通りすぎていってしまった もう過ぎてしまった いま来てもつぐなえぬ 一生は過ぎてしまったのに あけがたにくる人よ ててっぽうの声のする方から 私の
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