otocoto(オトコト)は、こだわりのある"大人のための映画エンタメ"メディアです。制作陣や出演者のインタビューをはじめ、作品の深掘りコラムや海外情報、最新の予告編動画、最新映画ランキング、ニュース記事などをはじめとした、映画やドラマなどの最新情報をお届けします。 名匠ヴィム・ヴェンダースが長年リスペクトしてやまない役所広司を主演に迎え、東京・渋谷の公共トイレ清掃員の日々を描いた、映画『PERFECT DAYS』。この度、『PERFECT DAYS』の特集を実施した雑誌『SWITCH』の発売(11/20)を記念してトークイベントが実施され、共同脚本・プロデュースの高崎卓馬により本作が生まれた背景や撮影秘話などが語られた。 映画制作のきっかけを聞かれた高崎は、「スタートは、柳井康治さんの THE TOKYO TOILETというプロジェクトです。新しいトイレたちの価値や、意味をみんなが考える
ヴィム・ヴェンダース監督が 新作の映画『PERFECT DAYS』への思いを語る。 Wim Wenders Interview ロードムービーの名手と謳われ、『パリ、テキサス』(1984年)、『ベルリン・天使の詩』(‘87年)、『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』(2011年)など、数多の名作映画を手掛けてきたドイツ映画の巨匠ヴィム・ヴェンダース。彼が手がけた最新作『PERFECT DAYS(パーフェクト・デイズ)』が、12月22日(金)から遂に公開される。本作は、今年5月、第76回カンヌ国際映画祭で高い評価を受け、主役を演じた役所広司が最優秀男優賞に輝くなど、世界から大きな注目を浴びている。 text : Sachiko Tamashige ©PeterLindbergh2015 ヴィム・ヴェンダース Wim Wenders 1945年生まれ。70年代のニュー・ジャーマン・シネ
ヴィム・ヴェンダース監督が 新作の映画『PERFECT DAYS』への思いを語る。 Wim Wenders Interview 映画『PERFECT DAYS』が生まれた背景に注目。アートプロジェクトの力が人の心を変える!THE TOKYO TOLET ヴェンダース監督の新作は、東京・渋谷の公共トイレが舞台となっている。これらは、THE TOKYO TOILET プロジェクト(以下TTT)によって生み出された色とりどりの個性あふれるユニークなトイレたちだ。 ●映画制作の背景—明るく、美しいトイレの社会的ミッション TTTは、2018年から始まった公共トイレ改善の建築プロジェクト。世界的に活躍する16名の建築家やクリエイターが各々の個性を発揮して、東京・渋谷区内17カ所の公共トイレを新たなデザインで改修し、生まれ変わらせた。TTTにより、4K(暗い、汚い、怖い、臭い)といった従来の公共トイレ
「PERFECT DAYS」は、TTTの一環として、柳井さんの企画・プロデュースによって生まれた映画だ。主人公の平山は、東京・押上のアパートで一人、簡素に暮らしながら、毎日、渋谷の公共トイレへ仕事に出かける。同じことを繰り返しているようだが、ひとつとして同じ日はない。 Wim Wenders ヴィム・ヴェンダース 1945年、ドイツ・デュッセルドルフ生まれ。現代映画界を代表する映画監督。「パリ、テキサス」「ベルリン・天使の詩」などの数々の名作で映画ファンを魅了。「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」「Pina/ピナ・バウシュ踊り続けるいのち」などドキュメンタリーでも名高い。プロデューサー、写真家、作家としても活動。 ヴェンダース 平山さんは、我々の多くがかなえられずにいる夢を思い出させる存在だと思います。彼は、多くを持っていなくても幸せです。余計なものを持たず、持っているもの、自分にとって本
なぜ日本にはこんなにもエロなアートがあるんだろう?この圧倒的なクオリティと成熟はなぜ?そんな好奇心から春画をめぐる旅をはじめました。ご先祖さまたちの性に対する飽くなき探求心に、感心したりあきれたり…でも撮影を通して感じたのは、生そのものの持つ官能性と、美しさでした。 めくるめく春画の世界に描かれた、ちょっとおかしくて愛おしい人間たち。今と変わらぬ彼らの姿を、ぜひのぞき見てください。 本作は2019年の夏ごろから企画をはじめました。本年10月13日公開の劇映画『春画先生』(塩田明彦監督、ハピネット・ファントムスタジオ配給)を制作する中で、あまりに春画世界が奥深くしかも、書籍でしか知ることのできない興味深いエピソードや作品にあふれていることを知りました。テレビでは放送できないけれど、映画館であれば映像で春画世界をもっと多くの皆様に紹介できると制作を決意しました。今まで春画について聞いたことがあ
東映京都映画撮影所、現存する映画スタジオの中では最古の域にあり、かつ2万坪を超える最大規模の撮影所である。1925年に竹藪だった太秦の地を切り拓いて阪東妻三郎が建設、1930年に松竹に譲渡されながら新興キネマ、大映、東横動画と所有が移り変わりながら、1951年当時の弱小3スタジオが統合して大借金からスタートした東映(時代劇大ブーム時代を牽引し、50年代半ばには借金返済)が70年間に渡り、保有し続けている。ほとんど映画史の黎明からこの産業を見届けている撮影所で、37年間つとめあげている高橋剣氏にインタビューを行った。 ■時代劇の聖地、東映京都撮影所。日本最大規模で100年の歴史を刻む ――:自己紹介お願いします。 高橋剣と言います。1964年東京都武蔵野市生まれで、1987年の入社以来ずっと37年間この東映京都撮影所に勤務してきて、今スタジオ事業部長をしております。今の撮影所では一番の古株は
【「君たちはどう生きるか」評論】宮崎駿監督の美意識とイマジネーション、死とエロスのムード 2023年7月15日 17:00 「君たちはどう生きるか」(C) 2023 Studio Ghibli ※本記事には「君たちはどう生きるか」のネタバレに触れる箇所があります。作品未見の方は、十分にご注意ください。 事前発表はタイトルとポスタービジュアルのみ、公開まで宣伝を一切しないという前代未聞の施策で封切られた宮崎駿監督の10年ぶりの新作。国民的アニメーション作家として愛されている宮崎監督の長編がもう1作見られる。それだけをフックに、宣伝をしないで映画館に足を運ぶ人が日本にどれだけ存在するのかが可視化される、一種の社会実験とも言える試みで、情報過多の今の時代にマッチはしているものの実行は難しい奇策をやってのけた鈴木敏夫プロデューサーの剛腕ぶりには驚かされた。 タイトルの「君たちはどう生きるか」は、2
7月14日に宮崎駿監督(崎はたつさき)の最新作である映画「君たちはどう生きるか」が公開されました。10年ぶりの宮崎監督作品ということで期待していた方も多いと思います。ボクも公開初日に劇場で鑑賞してまいりました! 公開前にスタジオジブリから情報がほとんど公開されなかったことで予備知識のない状態での鑑賞となりましたが、正直言って見終わったあとも内容に関してよく分かっておりません。作品の中盤あたりから、詳しい説明もないまま次から次へと摩訶不思議(まかふしぎ)な世界を見せられることになるので、人によっては置いてけぼりを食うと思います。 実際ボクもそうでしたし、正直「よく分からないな」と思う場面も少なくありませんでした。ただ、この作品のスゴイところは、そういったネガティブな感想をその映像と演出の素晴らしさで無理やり封じ込めてくるところです。 幻想的な世界観をはじめ、アクションシーンの迫力、登場人物の
ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 「Cinematic Tokyo」部門の魅力とは?東京を舞台にショートフィルムを制作する、2人の映像作家に訊く1 / 2 [PR] 米国アカデミー賞公認、アジア最大級の国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア(以下 SSFF & ASIA)」。1999年より毎年開催され、22回目となる今年は新型コロナウイルス感染拡大のため、9月に延期し行われ、112の国と地域から集まった作品の中から約200作品を上映およびオンライン会場より配信を行った。 世界中から様々なショートフィルムが集まる同映画祭の「Cinematic Tokyo」部門は、東京をテーマとしたショートフィルムを募り、東京という街の魅力を発信することを目的として、2017年に設立された。本年度は、オーストラリア出身で13歳の頃より映画制作を始めたチャールズ
宮崎駿監督の新作「君たちはどう生きるか」ポスター=スタジオジブリのTwitterより 「私自身、訳が分からない」 「おそらく、訳が分からなかったことでしょう。私自身、訳が分からないところがありました」。 2023年2月下旬、東京都内のスタジオで上映された、「君たちはどう生きるか」の初号試写。米津玄師の歌うピアノバラードが流れ、エンドロールが終わった瞬間、灯りが点き、宮崎駿監督のコメントが読み上げられた。 客席から軽い笑い声が漏れた。私もその一人だった。あまりの展開の速さと、盛り込むだけ盛り込まれた情報を消化しきれず、茫然と座り込んでいたが、その言葉で我に返った。 これは「宮崎アニメ」の集大成なのか、吉野源三郎の著書『君たちはどう生きるか』の再解釈なのか。とにかく、1回見ただけではとても全容を把握できなかった。 「自分のことをやるしかない」 今回の作品は、公開前のプロモーションも、メディア関
樋口了一 コメント見どころ難病の中年サラリーマンの、みっともなくてなりふりかまわない 真っ直ぐな気持ちを込めた人生というダンスを是非ごらんください。 主題歌に込めた思い監督が書かれた歌詞が、若々しい息吹に満ちていたので、若かった頃のエネルギーをもう一度盛り込みたいと思って作りました。多分自曲の中で1番テンポが早い曲だと思います。 撮影で大変だったこと薬を飲む配分とタイミングに苦労しました。 病気の治療、歌手活動、病の啓発活動、そして日々の暮らし :故郷の熊本に生活の拠点を移して 12 年が経ちました。やはり、その中で日々向き合っている自分の抱える病からインスピレーションを受けて作る曲が増えたように思います。 古新舜監督 コメント主演・樋口了一について生活のリアルな仕方や、仕事での苦労、自分との葛藤。パーキンソン病当事者の樋口さんだからこそ表現できる表情や心の声を臨場感あふれる演技で披露され
こんにちは、まとんマサラです。今回のブログは「RRR ナートゥ・ナートゥの歌詞を深堀 神様編」の続編です。 ナートゥを存じ上げてから早や半年以上が経った今、湧き起こる疑問…あのシーンはただのダンスシーンなのか? まとんは思った。「ナートゥ」という言葉の意味、あのダンスシーンが劇中で持つ役割はなんなのか。そしてテルグ語話者はナートゥ・ナートゥに何を思うのか。 Lahari Music公式youtubeチャンネルより まずは「ナートゥ・ナートゥ」の作詞をしたチャンドラボース先生について調べてみます。 出身はアーンドラ・プラデーシュ州のワランガル地域。現在はテランガーナ州の一部として、州都ハイデラバードから146kmほどの距離に位置します(日本で言うと東京から群馬くらいの距離)。古代王朝の遺跡が残る、歴史と文化に溢れた都市です。 「ナートゥ・ナートゥ」がアカデミー賞を受賞した際、チャンドラボース
Lahari Music公式youtubeチャンネルより 歌詞に出てくる「ポタラージュ」とは豊穣の神。疫病や害獣から農作物を守ってくれる存在として、テランガーナやアーンドラ・プラデーシュなどのテルグ語圏で親しまれている民族信仰の神様です。 以下の動画で、ポタラージュ神が登場するお祭りの様子が見れます。 こ、こええな… 全身をターメリックで黄色く染め、両手には巨大な鞭。ポタラージュ神に扮した男たちは自分の体を鞭で叩き、踊り狂いながら町を練り歩くことで災いを追い払い福を招きます。力強くも恐ろしいポタラージュ神の姿に、子どもたちは恐怖に慄くとか。 テルグ語圏に伝わるポタラージュ祭り、私は秋田のなまはげに似ていると思いました。身近で、怖くて、ちょっと面白い。 ポタラージュ神はヒンドゥー教との結びつきがありますが、シヴァやガネーシャといった神様と違いテルグ語圏以外ではその存在をあまり知られていません
シリーズ累計920万部超の大人気ジャズ漫画「BLUE GIANT」(原作:石塚真一)が、2013年の連載開始から10年の時を経て、アニメーション映画化され2023年2月17日に公開となった。 “音が聞こえてくる漫画”として数々の口コミと共に高く評価されてきた「BLUE GIANT」だが、今回の映画で音楽を担当したのは世界的ピアニストの上原ひろみ。今回、主人公・宮本大たちが結成するトリオ“JASS”のオリジナル曲だけでなく、劇伴音楽をほぼ全曲書き下ろし、演奏及びサウンド・プロデュースを務めている。 「最大の音量、最高の音質で、本物のジャズを届けたい」というスタッフの情熱が込められた映画『BLUE GIANT』の魅力を、音楽評論家の原田和典さんが解説した原稿を掲載。 <関連記事> ・最高のブルーノート・アルバム50枚 ・ブルーノート栄光の歴史:1939年創立、ジャズの最高峰レーベル ・なぜ、ジ
音楽、青春を描いたアニメーション映画として、ひとつ次元の異なる作品が完成したという印象だ。石塚真一の漫画を原作に、“音”と“動き”を新たに表現した劇場アニメーション『BLUE GIANT』は、アニメファン以外にも、多くの観客を惹きつける力のある仕上がりとなっている。 ここでは、そんな本作が映画化された意義や、達成したものを考えながら、日本の映画、アニメーションがジャズを題材にすることについて考えていきたい。 「オレは世界一のジャズプレイヤーになる」と志し、仙台の広瀬川の河川敷で、日々テナーサックスを吹き続けてきた高校生、宮本大(みやもと・だい)。その夢を本格的に始動させるため、卒業後に東京にやってきた彼が、同郷の玉田俊二(たまだ・しゅんじ)や、若手ピアニストの沢辺雪折(さわべ・ゆきのり)とともに18歳の若手バンド「JASS」を結成し、日本有数のジャズクラブでの演奏を目指すというのが、本作の
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