「IT企業からDX企業への変革」を掲げて、2020年7月から全社のDX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組む富士通。一般に広く知られる日本企業の挑戦という意味でも注目される。2年半たった今、その進捗(しんちょく)はどうか。同社の取り組みから見えてきた企業DXのポイントとは何か。富士通のDXの推進役を担う福田 譲氏(EVP CIO CDXO補佐)にインタビュー取材する機会を得たので、同氏の話を基に2023年における取り組みと企業におけるDXの今後について考察したい。 DXの最大の敵である「経路依存性」とは まずは富士通のDXの取り組みを見ていこう。 同社はDXについて、「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務プロセスや組織、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立するこ