実践知リーダー対談 第3回「ビジネスモデルと実践知」 このシリーズでは、実践知研究センターの初代センター長である野中郁次郎との対話の場を通じ、「実践知」について考えていきます。 第3回 対談相手: 根来龍之 氏 早稲田大学ビジネススクール ディレクター(統括責任者)・教授 富士通総研経済研究所 研究顧問 企業経営に見られる変化 --- 研究という視点から --- 【根来】 最近の企業経営を見ていると、顧客、ライバル、サプライヤーなどとの相互作用を強調している潮流があると思います。90年代は、やはりデザイン志向と言うか、企業の中で何らかの要素を決めなきゃいけないという、演繹的な志向性が強かったと思います。例えば、コンセプトを決めなきゃいけない、収益モデルを決めなきゃいけない、などということを先に決めてから他の事業要素を決めてきました。しかし、精密に何かを決めてからやってもその通りにならなかっ