親身になって相談に応える高橋亜美さん(左)=東京都小金井市のアフターケア相談所「ゆずりは」で2011年、榊真理子撮影 児童養護施設などで育った人が社会生活に困らないように、施設関係者らが支援に乗り出している。進学をあきらめ10代で自立する人が多いが、幼少期の虐待による心の傷などで、仕事や家庭生活につまずいてしまう人もいる。家族のように相談にのったり、仕事を仲介するなどサポートの輪が広がっている。【榊真理子、山崎友記子】 東京都内の女性(32)は両親の行方が分からず、3歳まで乳児院で、その後は祖母に育てられた。病気の祖母を看病するため高校1年で中退し、職を転々とした。 祖母も亡くなり、「頼れる人がほしい」と23歳で結婚。しかし、夫は限られたお金しか女性に渡さず、貯金の額も教えない。金銭的に自由を束縛する「経済的DV(ドメスティックバイオレンス)」だった。困り果て、小学生の時以来会っていなかっ