2011年3月11日に起きた東日本大震災。巨大地震は大津波や原発事故を誘発し、戦後最大の災害に発展。その結果、多くの日本企業の事業活動は、東日本にとどまらず全国にわたってマヒしてしまった。 これまで追求してきた効率経営の歯車が一気に逆回転して、さまざまな負の連鎖が広がった。その反省に基づいて、企業は自らのあり方を再考しなければならない。大震災を転機として新たに創造し直すべき経営のモデルとは。企業で経営再創造の最前線に立つ実務家の取り組みや識者の論考を通して模索していく。 今回に登場するのは、日本のリーダーシップ研究の第一人者である金井壽宏・神戸大学大学院経営学研究科教授。震災でさまざまなショックを受けて動揺している人々から、復興に向けて立ち直る「回復力」を引き出すリーダーの条件について考察する。 (取材構成は、中野目純一=日経ビジネスオンライン記者) 今回の大震災で人々に動揺が広がっている