セレブが知名度を利用して社会課題の解決に取り組むという話は、米国では珍しくもない。だが、10年以上も弱者に寄り添い続けるスターはそういない。何が彼を突き動かしたのか。 貧困は、ある日突然やってくる。 「誰だってホームレスになりうる。決して他人ごとじゃない」と語るのは、ロック界のスーパースター、ジョン・ボン・ジョヴィ(60)だ。世界的バンドBON JOVIのリーダーとして長年活躍する一方、慈善活動に情熱を注ぎ、米Forbesの「最も慈悲深いセレブ」ランキングで1位に選ばれたこともある。 2011年、ジョンと妻のドロシアは、ユニークなレストラン「JBJ(ジョン・ボン・ジョヴィ)ソウルキッチン」を米フィラデルフィアに開業した。「Pay it Forward」(善意をつなぐ恩送りの意味)を掲げるこの店では、お金がある人もない人も、平等に席について食事をすることができる。 昨年9月、米国で開催された