日本の医療では、異なる職種が協働するチーム医療が基本になりつつある。そして心理職も専門家チームの中に位置づけられる時代となった。本書では、境界性パーソナリティ障害、発達障害、PTSD、睡眠障害、性同一性障害、女性医療など、精神科医療の最前線で治療にあたる医師が、現場で求められている心理職の姿について論じている。各領域の専門家によるすぐれた論考は、読者に対して、日本の精神科医療の実情を、そしていま日本の社会が必要としている心理職の姿を、はっきりとした形で示してくれるだろう。 第Ⅰ部 従来より心理職が関わっていた精神科領域 第1章 境界性パーソナリティ障害の治療と心理職への期待 第1節 変化するパーソナリティ障害 第2節 パーソナリティ障害概念の再検討 第3節 パーソナリティ障害の心理社会的治療 第4節 パーソナリティ障害患者に対する医療サービスと臨床心理学の役割 第2章 外傷後ストレス障害