倉重:この連載は、倉重公太朗の「労働法の正義を考えよう」ということで、Yahoo!ニュース個人として、毎回労働界隈の方々をお呼びして対談をさせていただいているものです。今回は、大物中の大物です。 濱口:何を言っているのですか。小物中の小物です。 倉重:ということで、独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)の濱口桂一郎所長にお越しいただいております。まず簡単に自己紹介をお願いできますか。 濱口:今は独立行政法人労働政策研究・研修機構というところで、所長という職をやっております。元々は旧労働省で役人をやっていましたが、今から20年ちょっと前ぐらいに、日本政府のEU代表部というところに出向し、EUの労働法を自分なりに勉強して、戻ってからそれを本にして出しました。そうしたら、世の中から結構引き合いがあり、「書いてくれ」、「しゃべってくれ」などという依頼の相手をしているうちに、気が付いたら研