最新号は、米国で話題を集める論文を掲載しています。まず、多くの有力メディアで引用された米国連邦政府公衆衛生局の元長官のビベック・マーシー氏の論文『「職場の孤独」という伝染病』を中心に「職場の孤独」の特集を組みました。また、発表直後から筆者へのインタビューや関連記事が続出の論文「『#MeToo』運動を機にセクハラ文化は終わるのか」を巻頭で掲載しています。問題が顕在化すると、対策を取るのが早い米国社会のダイナミズムを感じます。 孤独という伝染病が蔓延 ビベック・マーシー氏の警告 近年、米国のメディアで、孤独問題を報じる記事が増えているようです。2017年では、「中年男性がいま直面する最大の脅威は喫煙や肥満ではなく、孤独だ」(米『ボストングローブ』3月9日)、「米国人はますます孤立しており、公的健康機関の専門家は懸念している」(米『フォーチュン』8月7日)、「長年、学者は孤独と健康の関係を研究し