ウクライナ軍が南部と東部で待望の反転攻勢を開始してから4カ月後、ロシア軍は形勢の挽回を図った。 ロシア軍の第2諸兵科連合軍とそこに配属されている親ロシア派地支配地域「ドネツク人民共和国」の部隊は10日、東部ドネツク州ドネツク市の北西に位置するウクライナ軍の要衝アウジーイウカ周辺を攻撃した。1個2000〜3000人規模の旅団少なくとも3個が参加した。 ロシア軍の部隊は、ウクライナ側がアウジーイウカの北と南に周到に設けたキルゾーン(撃破地帯)に直接進入した。以後2週間にわたり、ロシア側は次から次に攻撃を仕掛けた。だがその都度、ロシア軍の縦隊はウクライナ側の地雷やドローン(無人機)、砲撃によってつぶされた。 ロシア軍の損害はこれまでに、装甲車100両以上、戦死・戦傷者計数百人にのぼっている。死傷者は数千人規模に膨らんでいる可能性もある。ロシア軍がある区域で1日に出している車両や人員の損害としては
ロシアはウクライナの戦場に部隊を送るために、使えるものならどんな装甲車両でも確保しようと長期保管庫や車両駐車場、試験場を隅々まで探し続けている。 最近見つけ出したのは、軽量で空中投下ができるBMD-3歩兵戦闘車(IFV)だ。前モデルのBMD-2を踏襲した車体に、より重量のあるBMP-2の砲塔と30mm機関砲を組み合わせている。 乗員、歩兵合わせて7人乗り込める2両のBMD-3が、このほどネット上に出回ったウクライナ前線の写真に登場した。 1990年代に製造されたBMD-3は、BTR-50装甲兵員輸送車よりもずっと新しい。ロシアはウクライナとの1年8カ月に及ぶ戦争で被った5000両超の損失を補うために、退役して数十年経つBTR-50を復活させて戦線に投入した。 BMD-3は、ロシア軍が古いMT-LB装甲けん引車をベースにして作ったDIY戦闘車両よりも、防御力ではるかに優れている。 ウクライナ
(CNN) ウクライナ国境警備隊当局者は9日までに、北方の隣国ベラルーシに配備され訓練など受けていたロシア軍の大半が他の地域へ移動し、ベラルーシからウクライナへ地上戦を仕掛けられるほどの十分な兵力の準備はもはやないとの見方を示した。 同隊の報道担当者が首都キーウでの会見で述べた。「(7日の)現段階でロシアは交代制で派遣していた部隊を含めほぼ全ての兵員をベラルーシから撤収させた」と述べた。「新たな部隊の到着もない」と述べた。 一部の中立的な軍事アナリストらは、ベラルーシにいた部隊はウクライナの北東部の前線へ送られたと説明。転戦の地は、北東部ハルキウ州クピャンスク市と東部ルハンスク州クレミンナ市の間ともした。 報道担当者は、ロシア軍は北部チェルニヒウ州、北東部スーミ州やハルキウ州へ頻繁に砲撃を浴びせていると指摘。これらの州はベラルーシの東部と接し、ウクライナとロシアの北部の国境線沿いに位置して
軍事パレードで更新するロシア軍の女性兵士たち(2020年6月) Host photo agency/Ramil Sitdikov via REUTERS ウクライナに侵攻しているロシア軍の幹部らが、女性衛生兵に対して、自身の「性奴隷」や「戦地妻」になるよう強要している──同軍の元女性兵が、自らの経験を踏まえてそう告発した。 【写真】ウクライナ戦争中に隊員の美人コンテストも...ロシア軍の女性兵士たち ロシア軍の元兵士のマルガリータさんは、ラジオ・フリー・ヨーロッパ/ラジオ・リバティが28日に公開したインタビューで、戦地妻や性奴隷になることを拒否した女性衛生兵は、幹部から悲惨な虐待を受けることになるとも明かした。 ロシア軍に11年間勤務した後、2017年に退役したマルガリータさんは、子供を養うためにウクライナでの戦争の衛生兵に志願したという。訓練のため送られたロシア西部ニジニノブゴロドで、戦
11月24日で9か月となったロシアによるウクライナへの軍事侵攻。 「この冬の戦闘は激化する」 こう分析するのは東京大学先端科学技術研究センター専任講師の小泉悠さんです。 寒さが厳しい冬に、戦闘がこう着するのではなく、なぜ激化するのか? 開戦から戦況をウォッチし続けるロシア専門家の最新の分析です。 (ヨーロッパ総局:渡辺信 国際部:後藤祐輔) (※以下、小泉悠氏の話し) いまの戦況をどう見る? ウクライナ軍が9月から主導権を取りかけ、11月には南部の要衝ヘルソンを取り返したことで、この2か月ほどはウクライナ軍のペースで進んできたと思います。問題はこの先です。 今後もウクライナ軍が主導権をとり続けられるのか、それともロシア軍が取り返すのか、ここは、少し分からなくなってきている感じがします。 というのは、ウクライナ軍はヘルソンを陥落させましたが、川を渡ってドニプロ川の向こうまで反撃していくことは
ロシアの複数の独立系メディアは、動員されてウクライナ東部に派遣されたロシア軍の予備役500人以上が攻撃を受けて死亡し、一個大隊がほぼ全滅した可能性があると伝えました。ロシア軍では、動員されたばかりの予備役も前線に送られ、戦死者が相次ぐなど、被害が広がっている可能性があります。 ウクライナ軍は、領土の奪還を目指して東部や南部でロシア軍に対する反撃を強めています。 ロシアの独立系メディアなどは今月6日、ウクライナ東部ドネツク州で戦闘に参加しているロシア軍の兵士らが、現地での悲惨な状況や不満を書いたとする手紙の内容を伝えました。 それによりますと、「4日間でおよそ300人が、死亡やけがをしたり、行方不明になったりした。機材の半分を失った」として、誤った作戦や指揮によって戦死者が相次いだとしています。 この報道についてロシア国防省は、国営のタス通信に対して、この部隊の人的損失は1%以下だとして否定
ウクライナで10万人もの兵士が死傷し、その補充として従軍を望んでいなかった男性30万人を強制的に徴兵したロシア軍は、徴収兵が脱走したり命令なしに撤退したりするのを防ぐために「バリア部隊」を配備しているという。英国防省が4日に報告した。 バリア部隊は、第二次世界大戦中に旧ソ連のバリア部隊が行ったように、逃亡する兵士を逮捕したり、射殺さえしたりして罰する。 このような厳しい措置はおそらく80年前には大きな違いを生み出さなかっただろう。そして現代でもおそらく役に立たないだろう。バリア部隊は、おびえた前線部隊が陣地を放棄するのを抑止するかもしれない。しかし、そのやり方はひどいもので、かなりの犠牲をともなう。ウクライナでの戦争は例外だと考える理由はない。 1942年当時、ドイツ軍はモスクワに向かって進軍し、旧ソ連軍は後退していた。同年7月、時の首相スターリンは原則として退却を禁止する命令を出し、バリ
ロシア予備役500人超死亡 手で塹壕掘り、砲撃で大隊全滅―ウクライナ 2022年11月07日05時15分 6日、モスクワのバス停に掲示されたロシア軍人をたたえるポスター(AFP時事) ロシアの複数の独立系メディアは6日までに、ロシアが一方的に「併合」したウクライナ東部ルガンスク州で、動員令によって招集されたロシア軍予備役の1個大隊がほぼ全滅したと伝えた。500人以上が戦死した可能性が高いとされる。 受刑者500人以上戦死か プーチン氏に近いロ軍事会社 大隊は、ロシア中部ボロネジ州の予備役で編成されていた。生存者や親族の証言を総合すると、11月1日に「領土防衛隊」として前線の15キロ手前に到着し、深夜に前線へ展開。隊員らは塹壕(ざんごう)を掘るよう命じられたが、スコップは多くて「30人に1本」しかなく、手で掘らざるを得なかったという。 国際 ウクライナ情勢 コメントをする
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