国立国際医療研究センターのチームは15日、変異株によっては米製薬大手ファイザーの新型コロナウイルスワクチンの働きが弱まる可能性があることを示す研究結果を発表した。ワクチンは、英国株やインド株にも一定の効果があると考えられているが、変異の仕方次第では効果が大幅に落ちる恐れがある。 研究結果をまとめた同センター研究所の満屋裕明所長は、免疫を回避する新しい変異株の出現に備え、ワクチンだけでなく「強力な効き目がある新しい抗ウイルス薬の開発が必要だ」と話している。 接種を受けた約10人の血液を集め、ウイルスの感染力を弱める反応が起こるかどうか調べた。人によってデータのばらつきがあったものの、ワクチンの効果を表す指標の一つである「中和活性」の値は、中国湖北省武漢市で当初流行したウイルスに比べ、英国株やインド株では半分程度になり、南アフリカ株では3分の1以下になった。