米国務省が、中国による南シナ海での領有権主張の根拠とされる「九段線」を徹底的に論破した。九段線が意味するところを十分に説明していない中国政府に対し、定義を明確にするよう求める形を取ってはいる。しかし、中国外務省が強く米政府を批判しているところをみると、効果は小さくなかった。 ひっそりと発表九段線は、中国南部・海南島の付近から南に下り、北東に向かってU字のカーブを描いて台湾に至る9つの破線で形成されている。南シナ海のほぼ全域を覆い、その形状から「牛の舌」とも呼ばれる。 1947年に当時の中華民国が作成した地図に11の破線として初めて登場し、その後、中国で発行されている地図に引き継がれた。中国政府はそうした「歴史」を南シナ海で主権を主張する裏付けだとしている。 これに対し、米国務省の海洋国際環境科学局は5日、これに疑義を呈する報告書をホームページにひっそりと掲載した。中国外務省の洪磊(こうらい