日本から盗み出された仏像ではあっても、中世に韓国から略奪されたと推定されるから韓国の寺に引き渡せという。韓国の裁判所による判断は受け入れがたい。 仏像は長崎県対馬市の寺から5年前に盗まれ、韓国に持ち込まれた際に押収された。韓国政府が保管していたが、14世紀に所有していた韓国の寺が引き渡しを求めていた。 判決の根拠は、仏像の内部に収蔵されていた来歴などを記した文書に日本への譲渡に関する記載がなく、14世紀半ばに倭寇(わこう)が周辺地域を荒らしていたことなどだ。 裁判所は結論として、盗難や略奪などの形で日本へ渡ったという判断を示し、韓国の寺の所有だと「十分に推定できる」と認めた。 しかし、韓国政府は2014年に調査して「倭寇に略奪された可能性が高いが、断定は難しい」と認定していた。今回、それを覆す具体的な証拠が示されたわけではない。 さらに判決は、国際条約にも反する疑いがある。 窃盗や密輸から