先日、社会面で野球賭博問題に関する記事を読んでいたときのこと。 記事中に「プロ野球選手は(中略)プレーだけでなく、規範となるような立ち振る舞いが求められる」という関係者コメントがありました。 このときはデスクと相談して「立ち振る舞い」を「立ち居振る舞い」にするという赤字を出しました。弊社の記者ハンドブックでも「立ち」という見出しで調べると用例の中に「立ち居振る舞い」とあります。 そのときは、「立ち振る舞い」は「立ち居振る舞い」の「居」の部分が省略されたかたちの誤用なのだろう…程度に考えていました。 しかし、よく調べてみると決してそうではなかったのです。 かの有名な能楽師の世阿弥が著した能の理論書である『風姿花伝』の中に、「およそ、老人の立ち振舞、(後略)」という一節があります。 この風姿花伝が書かれたとされているのは西暦1400年ごろ。つまり、「立ち振る舞い」という言葉は約600年前から存