【ロンドン=内藤泰朗】英国を訪問した中国の習近平国家主席を歓迎する公式晩餐会(ばんさんかい)で出された高級ワインが関係者の間で話題になっている。民主化を求める学生を中国当局が武力で鎮圧、多数の死傷者を出した天安門事件と同じ1989年のワインだったためだ。ただの偶然か、英国的な皮肉を込めた無言の抵抗なのか、さまざまな臆測を呼んでいる。 晩餐会は、エリザベス女王の主催で20日夜、バッキンガム宮殿の大広間で執り行われた。主賓である習氏の隣には、ウィリアム王子や中国を意識してか、赤いドレスに身を包んだキャサリン妃が列席した。 話題となったのは、フランス・ボルドー産の赤ワイン「シャトー・オー・ブリオン1989年」。著名なワイン評論家、ロバート・パーカー氏が「世界で最もエレガントで、アロマの複雑なワイン」と絶賛し、市価で1本約30万円はする正真正銘の高級ワインだ。 消息筋は「89年はワインの当た