政府の総合科学技術会議(議長・麻生首相)は4日、今年度の補正予算で創設された先端研究助成基金(総額2700億円)を配分する研究者30人を決めた。1人当たり3〜5年で30億〜150億円という前例のない巨額研究費。年度ごとの予算に縛られない仕組みも導入し、世界をリードする研究を集中的に支援する。 対象は、iPS細胞による再生医療研究を進める山中伸弥・京都大教授、分子解析による迅速な疾患検査法を開発する川合知二・大阪大教授ら。次世代質量分析システムに取り組む島津製作所の田中耕一さんら民間企業の研究者も4人選んだ。短期間で実用化につながる成果を狙う「出口志向」の研究のほか、宇宙物理学など基礎研究も選ばれた。 565人から応募があった。研究者ごとの配分額は今後決められ、11月にも研究体制を整える。従来の一般的な科学研究費は、1件当たり年間3億円程度が最高だった。 同基金の創設は民主党も賛成したが、政