数年前、沖縄の川にはサメ、それも人食いザメとして恐れられるオオメジロザメが遡上してくると聞いた。しかもかなり海から離れた細い流れにまで。 半信半疑ではあったが、サメ好きにして淡水魚好きの僕としてはそんな面白い光景があるのならぜひ見てみたい。そして可能であるなら釣ってみたい。食べてみたい。そう思っていた。 数年越しの夢を叶えるため、2012年秋、僕は沖縄へと飛んだ。
三重大学准教授 勝川 俊雄 今年11月に国際自然保護連合がレッドリストを改訂し、新たに日本近海に生息する太平洋クロマグロを絶滅危惧種に指定しました。レッドリストは関係諸国に保全の必要性を示すのが目的であり、指定されたからといって、ただちに強制的な規制がかかるわけではありませんが、関係諸国が連携して、保全措置を執ることが強くもとめられています。また、クロマグロの大半を消費する日本には、世界から厳しい目が向けられています。 1950年代には、4万トンあった漁獲量は、現在は1万5千トンまで落ち込んでいます。国別に見ると、最も漁獲が多いのが日本で、その次にメキシコです。台湾、韓国、アメリカ合衆国も漁獲をしているのですが、その量は微々たるものです。クロマグロ漁業には、未成魚中心の漁獲、産卵場での集中漁獲、規制の欠如という、解決すべき3つの問題点があります。 まずは未成魚中心の漁獲についてです。
ヨーロッパウナギはどうなったか? 大西洋クロマグロ資源が危機的なことは、いろんな状況証拠から明らかであり、数年後には漁業は途絶えていると思う。ただ、現段階で、欧州の陰謀論では無いことを証明しろと言われると、難しい。その代わりと言っては何だが、過去にワシントン条約で規制されたヨーロッパウナギの事例を振り返ってみよう。ヨーロッパウナギは、2007年から、ワシントン条約の付属書IIで規制されている。そのときも、日本メディアは、食卓の危機・食文化の危機などと騒ぎ立てたのだが、いざ規制が始まると、全く情報が途絶えてしまった。その後のことを知っている日本人はほとんどいないだろう。 ヨーロッパウナギは、今も全く回復していない。EUの管理の下で、漁獲は厳しく制限されているが、回復のめどは立っていない。水産資源は減らしすぎると、回復能力が著しく失われることが知られている。ある程度以上減らしすぎると、たとえ禁
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